2001.10.19
2001年のシーズンサマリー、予選の2回目は、チーム別にGPごとの成績を見ていきます。
フェラーリは最多11回のPPをM・シューマッハひとりでたたきだしました。バリチェロとのフロントロー独占は開幕戦と第2戦の2回だけでした。
M・シューマッハはバリチェロに16勝1敗と圧倒(2000年は15勝2敗)。序盤はそれほど差はないのですが、中盤からふたりの差が広がっていきます。バリチェロが唯一上回ったのは、M・シューマッハのモチベーションが低下したイタリアGPだけでした。
平均グリッドはM・シューマッハが1.7位に対し、バリチェロが4.5位。
フロントロー回数はM・シューマッハ13回に対し、バリチェロ3回。
これではバリチェロの勝機は乏しく、M・シューマッハが落としたレースも代わりに勝つことはできませんでした。
マクラーレンのPPはクルサードの2回のみで、ハッキネンが5年ぶりにPP0回でした。
予選対決では、最終戦でハッキネンが勝って、9勝8敗と勝ち越しました。
両者の成績は似たような傾向を示しています。マクラーレン車がサーキットによって好不調の波があり、2人とも影響を受けました。
なお、ベルギーは雨上がりの特異状況です。
ウィリアムズのPPはマクラーレンの2倍の4回。モントーヤ3回とR・シューマッハ1回です。2人とも初PPを記録。
予選対決はR・シューマッハが11勝6敗でした。第10戦まではR・シューマッハが9勝1敗と圧倒しましたが、第11戦以降はモントーヤが5勝2敗と勢いを逆転します。
PPをとった次のGPで大きく順位を落とす傾向があります。R・シューマッハはフランスでPP、次のイギリスで10位。モントーヤはドイツでPP、次のハンガリーで8位。
課題として、R・シューマッハは精神面の弱さ、モントーヤは苦手のテクニカルコースが上げられます。
ザウバーの予選最高位はハイドフェルドの6位2回です(オーストリア、アメリカ)。ライコネンは7位2回(カナダ、イギリス)。
予選対決はハイドフェルドが10勝7敗と勝ち越しました。第11戦までライコネンが6勝5敗だったのですが、残り6戦でハイドフェルドが5勝1敗と優位に進めたのです。
2人の成績は非常に接近しており、好調だったマシン性能を十分引き出したと言えましょう。ザウバーは1年を通じて好位置をキープ。3強の後ろではもっとも速かったと言えます。
BARの予選最高位は6位で、パニスがカナダ、ビルヌーブがベルギーで記録。トップ10はビルヌーブが7回、パニスは5回。BARはトップ10を逃したことが半分以上あります。
予選対決はビルヌーブが11勝6敗でした。第11戦までビルヌーブ6勝5敗と互角でしたが、残り6戦でビルヌーブが5勝1敗となりました。
2人の成績はどちらかが良いと片方は悪く、なかなかマシンの傾向がつかめません。そうこうしているうちにチーム力は後半戦に低下してしまいます。
ジョーダンの予選最高位は4位で、フレンツェンがオーストラリア、トゥルーリがカナダとイギリスで記録。トゥルーリは16戦でトップ10に入りました。
予選対決はトゥルーリが15勝2敗でした。フレンツェンとアレジに1回ずつ負けただけです。
ジョーダンは予選の速さはザウバーをしのぐものがありました。夏場に3強に迫る上昇傾向を見せましたが、終盤は失速しました。
ベネトンの予選最高位は6位で、最終戦でフィジケラが記録。
予選対決はフィジケラがバトンに13勝4敗と圧倒。フィジケラはキャリアの中でR・シューマッハ、ブルツ、バトンらに常に勝ち越す速さを持っています。
ベネトンは前半戦にミナルディと最後方を争うほど低迷しましたが、終盤にグングン調子を上げ、来季に期待できる流れを作りました。
ジャガーの予選最高位は6位で、アーバインがモナコで記録。トップ10はもうひとつ、デ・ラ・ロサのドイツ9位と、わずか2回しかありませんでした。
予選対決はアーバインがチームメイトに11勝6敗でした。しかしアーバインはデ・ラ・ロサに7勝6敗とかろうじて勝ち越しでした。第5〜10戦はアーバインがデ・ラ・ロサに5勝1敗だったのに、第11戦から5連敗を喫します。最終2戦に勝ってやっとの面目を保ったのでした。
ジャガーは1年を通じて並の成績が続きました。大崩れはしませんが、なかなか前に出られません。102%ライン、12〜13位が定位置でした。
プロストの予選最高位はフレンツェンがベルギーで記録した4位で、唯一のトップ10でもあります。雨上がりの特殊状況でした。
このチームは5人のドライバーが走るのも異常事態でした。最も多く走ったアレジが、9勝3敗でした。アレジは移籍したブルティにいきなり連敗したりしました。チーム力からして、ドライバーは良く走った方でしょう。
アロウズの予選最高位はフェルスタッペンがカナダで記録した13位に終わりました。
新人ベルノルディがフェルスタッペンに10勝7敗と勝ち越しました。第14戦まで7勝7敗のあと、終盤に3連勝したのです。
2人の差は接近していました。このチームは後半、戦闘力が低下し、ミナルディとの最後方争いになってしまいました。フェルスタッペンが21位を2回も記録してしまいます。
ミナルディの予選最高位はアロンソがアメリカで記録した17位です。
新人アロンソがチームメイトに16勝1敗と圧倒しました。アロンソはブラジルとアメリカで103%近くという、このチームには信じられない速さを出すことができました。
第8〜12戦は最後列独占(21,22位)でしたが、終盤、アロンソがプロスト、アロウズや、BARまで食うがんばりを見せました。
つづく