購入にあたり「できる限り安く買いたい」と思うのは世の常。車の価格は「メーカー希望小売価格」なので、
交渉次第である程度の値引きができる。今回は「家族みんなで楽しめる」「永く乗れる」というコンセプトである
ので、ターゲットは「５ナンバーサイズミニバン」に定められた。そこで以前から気になっていたセレナと、これ
に対抗する天下のトヨタのドル箱ミニバン・ヴォクシーとの一騎打ちとなった。
＜商談データ＞
・競合車種
日産・セレナ（ライダー／ハイウェイスター）
トヨタ・ヴォクシー（ＺＳ）
・商談期間
２００８年１月１３日〜２７日
【第一日目：探り合い】
個人的な気持ちの中ではヴォクシーが本命であったが、マイチェンしたセレナも従来モデルの不満点が
殆ど解消されており、甲乙つけがたい存在となっていた。とりあえず行きつけの日産に赴く。実は事前に担当
セールスのＨさんから「ライダー」の見積もりを頂いていたので、これを元に話を切り出す。
Ｈ氏 「いかがですか？今度のセレナ」
なんしぃ 「なかなか良いのですが…高いです（笑）」
ライダーの見積もり総額は、驚愕の３７０万円…セレナはおろかエルグランドが買えてしまう。ただワタシと
しては「買うならライダー・ハイパフォーマンススペック」と考えていたので、現実の壁にぶち当たった感じだ。
見積もってもらったのは素の「ライダー」であり、ハイパフォーマンススペックは車両価格で２０万ぐらい高く
なる…。更にライダーは標準車の「２０Ｓ」がベース。つまり、必要な装備をピックアップしていくと、あっと言う
間に３００万円オーバー！この時点で第二候補「ハイウェイスター」が浮上。迫力あるエクステリアは魅力だ
が、快適装備に目をやるとハイウェイスターとかなりの差がつく。
＜ハイウェイスターとライダーの装備差＞
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装備
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ハイウェイスター
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ライダー
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| ＡＦＳ付きキセノンヘッドランプ |
標準装備
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＋94,500円
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| 両側パワースライドドア |
+126,000円
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+187,350円
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| インテリジェントキー |
標準装備
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両側パワーとセット
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| パーソナルテーブル |
+15,750円
|
未設定
|
| レザーシート |
未設定
|
+150,000円
|
それぞれにしかない「パーソナルテーブル」と「レザーシート」は無視したとしても、同一装備にしようとしたら
１５万円近い差が付いている…。車両価格も１０万円の差が付いているし…。とゆー訳で、ターゲットは
「ハイウェイスター」一筋に。
なんしぃ 「というわけで、ハイウェイスターの見積もりをください。とりあえずナビはキューブのを付けて」
Ｈ氏 「少々お待ちください」
しばらくするとＨ氏は見積書を持って戻ってきた。やはり先ほどのライダーのものと比べると、３０万円くらい
の差が付いている。ここは貧乏人らしく（？）ハイウェイスターをチョイスすることとなった。
余談だが、「ライダー・ハイパフォーマンススペック」はハイオク指定！ガソリン代高騰のこの時期にハイオク
指定車を買う勇気はなかったのも、決断の一因と言える（涙）。
ハイウェイスターの見積金額は、車両値引きが２４万、キューブの下取りが６０万でトータル２３０万。
今回はヴォクシーとの競合がテーマなので、日産との第一回戦はこれにて終了。
【第二日目：久しぶりのトヨタ】
さて、日産に寄った翌日、トヨタディーラーであるネッツ店へ。アルテッツァを購入するまでお世話になった
Ｋ氏が店長となり、隣接するホンダやマツダディーラーと善戦しているお店を訪問した。理由は勿論、セレナ
最大のライバルであるヴォクシーをぶつける為だ 。
挨拶も早々に済ませ、本題に入る。
なんしぃ 「ヴォクシーって出たばっかりなんですが、どのくらいになりますか？」
Ｋ氏 「トヨタは日産と違い、値引きに頼った販売はしません。中古市場が荒れますので」
う〜ん、なんだか反応が悪いぞ（汗）。とりあえずセレナと同じような装備に合わせて、見積もりを作ってもらう
ことにする。しかしクルマとメーカーが違うため、細かい装備に差がある。
＜セレナとヴォクシーの装備相違点＞
・オートライト（コンライト）の設定
ヴォクシーは非エアロモデルの上級グレードにしか装備されない（オプション設定もなし）。
対するセレナは全車標準装備。
・回転対座シート
オプション設定だが、ヴォクシーはセカンドシートを回転対座＆チャイルドケアモードにすることができる。
セレナのシートはそんな機能はないが、センター部分がロングスライドし、助手席側のシートを横スライド
させると、サードシートの乗り降りが楽々。
・エンジンパフォーマンス
ヴォクシーのバルブマチックエンジンは、セレナに比べて出力＋２０ｐｓにも関わらず燃費が良い。
・パワースライドドア
ヴォクシーは助手席側のみの設定で、両側はオートライト同様、ＺＳグレードではオプション設定もなし。
セレナはハイウェイスターは標準では非装備だが、オプション選択すると両側パワースライドドアになる。
・後席モニター
両車ともオプションだが、ヴォクシーは９インチ＋左右首ふり可能、セレナは８インチ＋正面固定だ。
ヴォクシー最大の魅力は、やはりエンジンだ。ＢＭＷと日産スカイラインに搭載例があるが、どちらもパフォ
ーマンス重視の車で、パワーと燃費の両立が重要視されるミニバンに搭載されているということは、
「車おバカ」の私にとって大変魅力的だ。逆にヴォクシーに対して注文をつけたいのがオートライトの設定。
セレナは何も言わなくても付いてくるのに…トヨタ車らしくない気がする…。
上記の点を踏まえ、見積もり総額は２４０万。しかしここではキューブを現状渡しすることが条件となり、
装備しているナビを手放して新たにナビを購入することとなったため、この見積額の中には２８万円相当の
ナビ料金が入っているため、セレナよりも割安となった。値引き額も３０万円と、一般的な相場よりも多めだ。
ちなみにキューブの下取り額は日産と同額だった。
Ｋ氏 「かなり頑張らせてもらいました！ぜひお願いします」
なんしぃ 「正直、こちらのほうが値ごろ感が高く、エンジンパフォーマンスが気に入っています。
でもここでは返事が出来ない（ナビ装備の有無がアンフェア）ので、また出直します」
個人的にはかなりグラッときたが、バルブマチックのフィーリングを実感したい気持ちもあったので、試乗
車の手配をお願いして今回は退散。高い買い物なので、慎重に交渉を進めていくことにする。
【第二日目２ｎｄフィールド：頑張れ！日産！】
トヨタを去った私は、その足で再び日産へ。トヨタでの交渉結果を元に、値引きの拡充を狙う。行った時は
Ｈ氏は接客中だったので、待ち時間を利用してセレナを試乗させてもらうことになった。
試乗車は標準車の最上級グレード「２０Ｇ」だ。アラウンドビューモニタが装備されていたが、興味はやはり
洗練されたインパネ周り。マイチェン前のようなカジュアルさは無くなったが、上質感は上々！しかし…やは
り感じたのは非力感。大人３人＋子供１人という乗車スタイルだったが、アクセルを踏んでも１５００回転より
上を使わないとまともに発進せず、勢いよく加速しようとしたら３０００回転以上は回す必要がある。エンジン
が暖まっていなかったのも原因しているかと思うが、かなりのマイナスポイントだ（爆）。
１０分程のドライブを終えて日産に戻ってくると、Ｈ氏の接客は終わっていた。
Ｈ氏 「お待ちしておりました。いかがでしたか？」
セレナのフィーリングはとりあえず心の中にしまっておき、Ｈ氏にはヴォクシーとの交渉内容について伝えた。
なんしぃ 「下取り額に関してはほぼイーブンでしたが、ナビをつけたいと思いますので見積もりを出し
なおして貰えますか？」
Ｈ氏 「なるほど〜わかりました」
純正ナビを装着すると話題の「アラウンドビューモニター」が装着可能になるが、純正ナビのどっちつかずな
操作性に不満を感じていた私（実際は使いやすいと思うのだが…）は、種類が豊富なディーラーオプション
のナビから、なるべくフェアな状態に持っていくためトヨタナビの性能に近いものをチョイスする。
待つこと１０分。Ｈ氏が見積書を持ってきてくれた。
Ｈ氏 「ナビ分の追加がありますので、トータルで２５０万円です。どうでしょう？」
ナビの値段は２２万円だが、前回より値引き額が増えて支払総額がかなり抑えられている。とってもリーズナ
ブルだが…
なんしぃ 「ヴォクシーの試乗を来週予定していますので、来週返事します」
と言い、その場は切り抜けた。
【第三日目：勝負の時！】
翌週。ヴォクシー試乗の約束をしていたので家族を連れてトヨタに行こうと思ったが、子供が病気で敢え無く
嫁と子供が離脱（爆）。自分より家族の意見を聞こうと思っていたのだが…。しかし家族会議を開き、みんな
の意見を確認してみると、クルマの出来…特に内装や使い勝手などが好評でセレナ一押し！となった。
運転する身になるとヴォクシーのエンジンの出来栄えが非常に気になるのだが、なんしぃ自身、ヴォクシー
の造りが中途半端に思えていたのも事実。特にシートやインパネの質感がイマイチで、マイチェンしたセレナ
のそれと比べてどうしても見劣りしてしまう。
そんな気持ちを整理する意味も込めて、一人でヴォクシーの試乗に向かった。ネッツのＫさんは私のため
だけに、試乗車を手配してくれていた。
初めてのスタータースイッチに戸惑いを覚えながら、クルマを走らせる。Ｋ氏が横にいるのでやや緊張気味
でアクセルを開けたが、先週試乗したセレナのフィーリングとは全く別次元。レスポンスがよく、踏むとストレス
なく団地の坂を駆け上がる。同じくらいの踏力ではセレナはここまで加速しない…というか、前に進まない。
必然的にアクセルを踏む量が増え、燃費も悪化する…頭の中にそんなセレナの構図が出来上がっていた。
しかし感じていた部分…視界前方のダッシュボードの質感の低さ（メーターはメチャ良かった）とリアシートの
質感の低さは、実車を走らせても印象が変わることはなかった。
試乗を終えてＫ氏が「とても良い話があるんです」と切り出してきた。どうやら今週からキャンペーンに入った
らしく、地デジＴＶ付きナビを購入すると２０％オフ＋オプションプレゼント！が実施されたそうなのだ。地デジ
ナビは２８万円であったから、５万円近くの値引きが入り、支払総額は２３５万円…単純に値引き額だけ見て
もマイナス３６万円と、デビューして半年のヴォクシーではありえない数字となった。
Ｋ氏 「正直、この金額はとんでもない額です。決めてください！」
割安感なら文句なし！なのだが…購入したらしばらくは買い替えができない事を考慮すると、ヴォクシーの
質感の低さは致命傷。市場はかなり人気があるので、マイチェンを機に大幅な質感アップをしてくると考える
と、どうしても首を縦に振ることができない。しかしこのエンジン…とても魅力的だ！自分ではもうどっちが良い
か判断できなくなってきたので、最終的に家族会議で決めることにした。
なんしぃ 「すみません…僕ひとりの考えでは決められないので、もう一日考えさせてください」
そう言って、試乗させてもらったことに感謝をしつつ、ネッツを後にした。
【第三日目２ｎｄフィールド：未練の日産】
もうすでに日課となった感のある、トヨタ→日産通い（笑）。そう、ネッツを後にしたなんしぃはそのまま日産
へ足を運んでいた。ちなみにトヨタと日産の距離は、クルマで１〜２分とチョ〜近い（爆）。
Ｈ氏に取り次いでもらい、ヴォクシー試乗の感想と値引きについて報告する。そして、自分自身とっても悩ん
でしまっていることを打ち明けた。
Ｈ氏 「まぁ、なんしぃさん御一族には沢山ご成約いただいてますし、次回ももちろんご成約頂きたい。
でも正直、なんしぃさんの前車（アルテッツァ）の付き合い上、断りきれないなんしぃさんのお気
持ちも理解できます。自分のご気持ちに素直になられてください」
そう言われて、ハッとなった。Ｈ氏は私の父からお世話になっている、ベテランクラスのセールスマンで、
年齢も私より４〜５歳年上の方だ。対してネッツのＫ氏は若く、私とほぼ同世代。役職は店長だが、商談に
おいてのＫ氏は「日産はねぇ〜」と低く評価することがほとんどだったが、Ｈ氏は決してそんなことは言わず、
あくまでも私の立場を尊重していた…。ここまで来るとクルマの出来うんぬんよりも、「この日産で買いたい」
という気持ちが大きく勝ってきた。
なんしぃ 「ありがとうございます、Ｈさん！」
最終的な結論を出すため、私は日産を後にして自宅へと向かった。
【第四日目：ジャッジメント！】
翌日…決断をする日はやってきた。
家族会議では満場一致でセレナとなり、ネッツＫ氏に断りの電話を入れた。
Ｋ氏 「え〜！ほんとですか！？」
驚きを隠せない様子だ。
なんしぃ 「いろいろ家族と話し合ったのですが、セレナが良いという結論に達したのです」
Ｋ氏 「そんなぁ〜！正直言いますと、どうしても買ってもらいたくていろいろ無理してるんです！
このタイミングで断られるのはちょっとショックです」
…そんなの、関係ないだろ（怒）。正直この一言にカチンときたが、一生懸命やってもらっていることは事実。
いろんな口実をつけて、断りの意思を伝える…が、納得してもらえない。
Ｋ氏 「先日ご家族の方が試乗してもらえませんでしたよね。また来週試乗できるように手配しますから
どうか最終判断を兼ねて、もう一度チャンスをください」
かなり強引だが、Ｋ氏の顔を立たせたいとも思ったのでしぶしぶ承諾。どうしたらいいかわからなくなったので
気持ちを整理するため、日産に行った。
Ｈ氏は私が混乱しているのを察してか、Ｋ氏の気持ちを踏まえた上で「どうか、決断してください！」と、商談
を開始して初めてセールストークをしてきた。「迷ったら駄目です！」と私に言い聞かせるように。
そんなＨ氏の気持ちに押され、その場でネッツＫ氏に再度断りの電話。ヴォクシーは沈んだ…。
その後細かい部分の調整を行ってもらい、最終的に以下の内容でセレナを注文！
| 車両本体価格（ハイウェイスター・２ＷＤ） |
2,436,000円
|
| メーカーオプション |
170,100円
|
| ディーラーオプション |
549,555円
|
| 車両本体値引額 |
-356,190円
|
| 車両代合計【Ａ】 |
2,799,465円
|
| 販売諸費用（課税）【Ｂ】 |
56,175円
|
| 販売諸費用（非課税）【Ｃ】 |
22,410円
|
| 税金・保険料等【Ｄ】 |
212,740円
|
| 消費税【Ｅ：（Ａ＋Ｂ）×５÷１０５】 |
135,983円
|
| 販売諸費用計【Ｆ：Ｂ＋Ｃ＋Ｄ】 |
291,325円
|
| 下取り額【Ｇ】 |
-630,790円
|
| 支払合計【Ａ＋Ｆ−Ｇ】 |
2,460,000円
|
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