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GRATE CHARACTERS in "Space Pirate Captain Harlock"

CAPTAIN     HARLOCK

キャプテン ハーロック

 

  HARLOCK (Space pitate Captain Harlock) 

(1999.5/ Illustrated by Maja)

 

 この作品で描かれたキャプテンハーロックは、まゆの登場等により、「まるで保父さんみたい。」だとか、「誘拐されたまゆを探し求めるハーロックは、原作で感じたハーロックらしさがあまり感じられなかった」等の意見もあり賛否両論だったようだが、私自身にとっては、いつまでも私の中で強烈な印象で輝き続ける非常に大好きなキャプテンハーロックなのである。

 別のページでも書いたが原作の松本零士氏の世界を、アニメーションにするにあたり、一種独特な雰囲気を持つ零士キャラを、なるべく原作のイメージを壊さないようにしてキャラクター設計を担当した小松原一男氏の個性も上手に調和され、今までにない(これ以後もない?)新しいキャプテンハーロックが生み出された。
 私は、特に彼が作画監督を担当した回などは他のエピソードの回と比べて映像美、作画的にもとても素晴らしいと思っている。
 ハーロックにしても、他のキャラにしても、目の表情や人物の動き、見せ方の表現が非常に豊かで、とても人間味のある、存在感、感情を感じさせる温かいものを感じさせてくれるから。
 冗談ではなく昔、絵から後光が差してみえるのではないかと思うくらい、(注・透過光ではない。)「神技だ!」と心の底から感動したことを覚えている。

 実際、小松原氏がどういうところへ気をつけていたかというと、やはりそのキャラクターになりきって描く、ということや人物の目の表情やちょっとしたしぐさ、動きにもとても気を使ったということだ。
特にハーロックのようなキャラクターはアクションが少ない為、動きで技術のない面がごまかせないといったことがあるので、とても神経を使うとのことだった。
 アニメーションというとただ原作のイメージ通りの絵を描き、動かせばいいという考えではなく、ちょっとした目の表情や動きやアングル等でも細かい部分に気を使い、芝居をさせたという、そのような創り手の心を込めた努力が、「ただのアニメ」で終わらなかった、私達を感動させたのではないだろうか。
 もちろんそういうハーロックが作られた背景には、小松原氏だけでなく独特の感性を持ち設定の監督をしたチーフディレクターのりんたろう氏、素晴らしい舞台を創り出した椋尾篁氏等の才能も強く作用したことはいうまでもないだろう。

 それにしても、このキャプテンハーロックは原作にはない様々な面を見せてくれて非常に楽しかった。黒装束になって変装したり、地球連邦の軍服を着たり、子供に対しての父性を感じさせたり、オカリナを作ったり、マゾーンに愛の告白をされたり、砂漠で苦しんだり、○○シーンがあったり…。(見てない方はご想像にお任せします。)人工海で泳いだり、ケガをするシーンもありましたね。そういえば、ツルハシを持って肉体労働者にもなっていた…。
 挙げたらきりがないほどでてくるが、実に多彩なハーロックであった。
原作のイメージに囚われ過ぎていたら、このようなハーロックはきっとみられなかったことだろう。
(最も、原作者の松本零士氏は自分の描くハーロックのイメージと違う、とかなり違和感を持っていたようだが、原作者の立場で見ればそう思って当然でしょう。)
 また、りんたろう氏のハーロックをただのかっこいいヒーローとして描くよりも、一人の人生の辛苦をなめてきた人間として男として捉えて描いてくれた感性やハーロックに対する姿勢が、存在感のあるハーロックとして、人間性のあるハーロックとして、原作とは違ったハーロックでありながらも、私達を魅了し続けるのだろう、と私は思う。

 

 声の配役は、本当かどうかはわからないが、、噂ではいろんな声優さんがハーロック役の売り込みに来たらしい。(誰もがやってみたい役!なのかもしれませんね。)
 中でも、広川太一郎氏(ご存知「ヤマト」の古代守や「名探偵ホームズ」のホームズ等の声を担当。)はとてもハーロック役をやりたがっていたのは結構有名な話で、実際ハーロック役に井上真樹夫氏が決定した時は、広川氏のファンから抗議の手紙がスタッフに送られてきたとか。でもはっきり言ってとても広川太一郎氏の声のハーロックは想像つきませんね〜。井上真樹夫氏で本当よかったなと思うのでありました。
 オーディションはなく、製作側でもうハーロックの声は井上真樹夫氏、ということで決定していたようです。

 井上氏は当初このハーロック役を演じるにあたり、自信満々で臨んだわけではなく、当時2巻か3巻まで出ていた原作を読み、果たして原作のファンに受け入れられるか、不安もあったとのこと。
 結果はご存知のとおり、原作ファンにも徐々に肯定され、彼の演じるハーロックはハマリ役と言われる程見事にアニメーションのハーロックに生命を吹き込み、私達に感動を与えてくれたのだった。

コメント等を読むと、彼がベテランの声優さんというだけではもちろんなく、非常にアウトロー的な生き方や考え方など、感覚的にすんなり入っていけるものがあったようだ。
井上氏の人生観にもハーロックの生き方に共感できるところが多分にあったようである。

 

CAPTAIN HARLOCK

(1999.5/ Illustrated by Maja)

 

 

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