GB版ポケットモンスター バグについての見解

個人的なプレイ、及び当サイトにおける攻略の方針について。
各種用語についてはここでは説明しないので、わからない場合は各自検索のこと。

概要

GB版のポケモンには、細かいものから強烈なものまで多数のバグが存在する。
かつてはこのページで「バグ技の使用は絶対禁止!」としていたのだが、
一部の危険なバグ技の使用を禁止し、それら以外のバグについては受け入れる方針とした。

なぜかといえば、特に初代において、ポケモンをプレイする上でバグは避けられないからだ。
例えば「戦闘中の能力変化に応じてバッジ効果が再発動する」のは果たして仕様だろうか、バグだろうか。
バッジ関連では「ピンクバッジとオレンジバッジの効果が入れ替わっている」あたりは明らかにバグだが、
こちらについてはゲームを普通に進める上で絶対避けることはできない。
他にも「気合溜めの効果が逆転している」など、この手の設定ミスは多数存在する。
そのような設定ミスを、プレイヤーの利益のために使うことは「バグ技の利用」になるのだろうか。

バグの影響を避けられないのならば、最初から線引きしてしまえばよい。
著しくゲームバランスを破壊し、ゲーム上での創意工夫の余地を奪うもの
セーブデータのデリケートな部分に直接干渉し、データ破損の危険が大きいもの」といった、
特に問題のあるバグを警戒し、積極的な利用を行わないと同時に、消極的に起こってしまうことも避ける。
それら以外のバグ(あるいはその可能性のある怪現象)については「そういうゲームだと割り切る」方針である。

基準としては、例えばRTAなどの競技界隈だとか、公式のプレイ動画配信が一つの目安となる。
「ピッピ人形でガラガラの幽霊を供養」は前者では海外ルールで認められており、後者でも使用された(VC配信直前の放送)。
また、「ゲーム開始時の乱数を調整する(厳密にはバグではないが)」のはRTAの基本テクとなっている。
あるいは、以前から「知っ得情報」に掲載している「石無しで進化」「隠しアイテム復活」については、
そもそも手間に対してプレイヤーの利益が薄い、ちょっとした小ネタ程度なので個人的には使わないし気にする必要も無いと考える。

(なお、石なし進化についてはかつてゲーフリ公式サイトにて「滅多に起こらないがあり得る現象」と、
オーキド博士の口を借りて(つまり世界設定上の文脈で)読者からの問い合わせに対して回答していた。
そこにはバグを必ずしも不具合扱いしない、昔ながらの「裏技」文化が息づいていたのだが、
若いゲーマーには伝わりにくい部分かも知れない。)

そういうわけで、もしうちのコンテンツを読んで「○○すれば楽勝なのに面倒なことやってるな」と思ったら、
上記のようなルールで攻略しているから敢えて使わないんだと理解していただけるとありがたい。

使用を制限するバグ

具体的に紹介。あくまでも既知のバグに限る。
将来的に、これら以外にゲームバランスやデータに影響を与えるバグが発見されたら加えるものとする。

任意コード実行

論外。

セレクトバグ(及びその派生技)

メモリの値を操作することでゲーム全般において絶大な影響を与えるバグ。
各種派生技も含めて、これを認めてしまうと攻略の楽しみの大半が失われてしまう。
制限の中で楽しむというゲームの根底を覆す技であり、
よほど丁寧にやらないとデータ上に不具合が残る危険なバグでもあるので封印する。

特殊エンカウント(fifth法)

任意の野生ポケモンを発生させる。比較的近年に発見され、ピカ版でも可能になっている。
ミュウの希少性などを否定し、また「けつばん」との遭遇やフラグの消失は致命的なエラーを引き起こしかねない。

セーブタイミングを悪用した増殖技

通信交換やセーブ時に電源を落として、移動前と移動先の両方にポケモンを保持する技。
ポケモンの希少性、さらには唯一性を完全に否定する上に、セーブデータ破壊リスクも大きい。
さらにハードウェア(特にVC版のようなフラッシュメモリ)にすら影響を与えかねない危険な行為である。

金銀:虫取り大会のバグ

特定の操作をすることで、2体のポケモンのスタータスが混ざってしまうというもの。
セレクトバグには及ばないが、技習得などにおいてゲームバランスを根底から損なうので制限をすべきと考える。

余談

明文化したきっかけは、ゴールドさん主催のオフ会「ヒストリアカップ」である。
ここではセレクトバグ及びとくしゅエンカウント(fifth法)の使用を否定し、
敢えて往時と同じ環境で地道な育成を参加者に対して要求した。
僕自身も「育成プランナー」などの支援ツールを作りつつも、真面目に育成する人なんて本当にいるんだろうか?と懐疑的だったが、
蓋を開けてみればtwitterやブログで(現行世代と比べると)非常に厳しい厳選や育成の苦労話が盛り上がり、
オフ会は大成功を収めた。現在は、VC版金銀に舞台を移して新たなスタートを切った。

興味深いのは、明確に禁止したバグ技以外(例えば、前述の隠しアイテム復活とか、サントアンヌ強行突入とか)は、
むしろ主催者が積極的に利用を拡散してきたという点である。
初代ポケモンにおける混沌としたバグと仕様の狭間において、個人によるものとはいえ明確な線引きを定めた功績は大きい。

ヒストリアカップにおけるバグのガイドラインは、必ずしも万人が受け入れるものではないだろう。
しかし4回にわたり、多くのプレイヤーがそのルールに賛同して、一定の合意のもとに楽しむグループができた。
今後もオフ会が続き、その趣旨に賛同するプレイヤーが存在する限りは、僕もそれに従いたいところである。


更新:2017/11/23

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