Soundvoyager (サウンドボイジャー)

任天堂 2006/07/27

公式サイト

レビュー

「bit Generations」シリーズの1作。音をテーマにしており、ステレオイヤホンが必須という変わり種。
左右の音を聞きながらターゲットを探り、それに接触したり回避したり撃墜するのが目的である。

ゲームは7種類あり、それぞれ複数のステージとなって樹形図のようなマップの上に配置されている。
クリア時の条件で分岐するが、到達したステージなら好きなところから始めることができる。
7種類それぞれ最初のステージのみターゲットが視認できるが、以降は全く姿が見えなくなる。
ターゲットは音を発しており、プレイヤーキャラとの位置関係に応じて音が鳴る。
つまり、ステレオサウンドを頼りに音源を突き止める必要がある。
音が近づくと画面上にそれを示すヒントが出るが、基本的には不要であり、
人によっては目を瞑ったままプレイした方が集中できるかも知れない、そんなゲームである。

プレイした感想としては、まず最初のゲーム(Sound Catcher)のとっつきが悪い。
左右の移動で、1つずつ上から降ってくるターゲットを捕るのだが、一定個数を得るまでこれが延々と続く。
降ってくる速度は変わらないので(リズムが狂うのを防ぐため?)待ち時間がどうしても長くなる。
このゲームはサウンドボイジャーの基本らしく、その後も音を変えて何度も何度も出てくるが、
やっていることは変わらない上に難易度が上がるわけでもない(他のゲームはちゃんと難しくなる)。
ステージごとにテーマがあり、様々な音(楽器、声、ノイズ、自然音など様々)を集めるのは面白い。
しかし、だからといってゲームとしては全く同じものを何度も「やらせられる」のはいかがなものか。

また、いずれのゲームもターゲットは最初は視認可能、と書いたが、
逆にいえばどのゲームでも目に見えるターゲットの存在を前提にしているという意味だ。
つまり、目で確認できるキャラクターを音に置き換えただけであり、
ゲームとしては新しいことをやっているわけではなく、音で捉えるというシステムを生かし切れていない。

さらに、7つあるゲームのうち3つは、ターゲットの出現パターンが完全に固定されている模様。
ステージ自体はごくシンプルなので、少し覚えればゲームでは無くなってしまう。
「聞いてから動くようでは間に合わないから仕方ない」のだとしたら本末転倒もいいところだ。

まとめると、グラフィックの代わりにサウンドで位置を掴ませるシステムは画期的。
ただしそれが一発ネタ程度に留まっていて、ゲームとしての面白さとか、
敢えてそのシステムを選ぶ理由などに結びついていない。
音を楽しむソフトだと割り切るにしても物足りない。それならサウンドテストやミキサー等が欲しかった。
せめて、好きな音色の組み合わせで「Sound Catcher」が出来れば良かったのに。


最終更新日:2010/10/20

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