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大湯環状列石:なぜ、ここでなければならなかったのか?

△鹿角の郷と舌状台地
 
 この壮大な「大湯環状列石」は、なぜ、ここ秋田県鹿角市の(大字)十和田大湯の 「風張台地」、いわゆる舌状台地に築造されなければならなかったのであろうか。

△「鹿角」とは
 昔、鹿角の先人が大空から鳥瞰(ちょうかん)したところ、鹿角盆地は、 まるで鹿の角のように観えたので、「鹿角」と命名したと、鹿角の人々は 信じている………
 
 鹿角は、米代川の上流域に位置する盆地である。
 低地は湖水であったとの言い伝えもあり、また、度重なる十和田湖や八幡平の 噴火による溶岩、シラスや軽石などの火山堆積物で平坦であったと考えられる。 その低地を流れる米代川、及び米代川の右岸には大湯川や小坂川などいくつかの 支流、同じく左岸には熊沢川や夜明島川などいくつかの支流によって平坦な低地が 削られていった。
 これらの河川の織り成す模様が、まるで鹿の角の形を呈しているのである。
 
△舌状台地
 河川によって削られて残った平地の形、つまり、河川と河川とによって挟まれた 平地が、舌状の形をした台地として残っている。即ちこれを舌状台地と云い、鹿角 では、至る所で顕著に見られる。
 
 この舌状台地は、鹿角の地勢を語る上で、また鹿角の文化や歴史を探訪する上で、 欠かすことの出来ない重要なことと考えられる。
@台地上の平坦地
A台地の縁辺部(ガケっぷち)
B台地の麓から河川敷に至る低地の平坦地
の違いによって、土地の利活用(農林業なども)、集落成立の様子(マチとムラ、 城館と住居)、また遺産遺跡の現存状況なども、それぞれ異なっているように 考えられるからである。
(H18.02.18)
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