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法華経

◆13.勧持品
この章の名称の勧持とは、法華経を信じ持つことを勧めるという意味です。釈尊の前で多くの徳の高い菩薩たちが末法の世に於いてこの法華経を弘めることを誓います。末法の世に法華経を弘めると一口にいいますが大変な覚悟がいるのです。というのは末法は三種の強敵と呼ばれる、法華経流布を妨害する者がいるからです。まず一つには俗人の中で、仏教には全く無知で法華経を流布しようとする人に向い、石を投げ棒で打ち、けいべつして悪口をいう人がいるのです。二つには出家者の中で仏教を少しかじっただけなのに何もかも知りつくりているかのように得意になっている人がいる。その人は法華経を知らないのでこの教えをでたらめだと思い信じこんでいる人です。三つには人々から尊ばれているが、仏教の真髄まで知りつくしてはいない人。自分の為だけを考え心の中では人々を無知だとバカにし、法華経を説く人に対して、悪いおしえを説く者だと言い、国王大臣までもこの人の言うことを信じこんでしまっている人です。これらの人々が法華経を説く人に対して迫害を加えるのです。その迫害を覚悟しなければ法華経を末法に弘めると釈尊に誓えるはずがありません。この立派な覚悟をきめた菩薩たちを見て、他の人々も法華経を弘める覚悟をきめました。しかし、お釈迦さまはあえて、これらの人々に委嘱されませんでした。その訳は後の従地涌出品以降に示されます。

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