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聖書の起源

◆ヨシュアの説教
 シケム伝承は、ヨシュア記二四章にある。 この箇所は、カナン占領という宿題を果たしたヨシュアが、 イスラエルの十二部族をシケムの地に集め、祭壇を築き、 ヤハウェ共同体結成のための契約を結ぶ問題の箇所である。 ヨシュアは、祭壇の前に立ち、民にむかってこう語りかける。
「主は、こう仰せられる。『あなたがたの先祖たち、すなわちアブラハムの父、 ナホルの父テラは、昔、エフラテ川の向こうに住み、みなほかの神々に仕えていたが、 わたしは、あなたがたの先祖アブラハムを、川の向こうから連れ出して、 カナンの全地を導き通り、その子孫を増した。 わたしは彼に、イサクを与え、イサクにヤコブとエサウを与え、 エサウにはセイルの山地を与えて、所有とさせたが、 ヤコブとその子供たちは、エジプトに下った。 わたしはモーセとアロンをつかわし、またエジプトのうちに不思議をおこなって、 これに災を下し、その後あなたがたを導きだした……』」(ヨシュア記二四・一−五)。
   ヨシュアの言葉は、神の不思議な救いと恵みに集中している。 それをイスラエルに想い起こさせること、そのことに彼の目的がある。 それはアブラハムの旅にあらわれ、葦の海の奇跡にあらわれ、エリコの戦闘にあらわれ、 そして今、土地取得にあらわれたという。 イスラエルの歴史は、そのまま救いの歴史であったというのである。
 
 神の言葉は続く。
「そして、わたしは、あなたがたが自分で労しなかった地を、あなたがたに与え、 あなたがたが建てなかった町を、あなたがたに与えた。 そしてあなたがたはいまその所に住んでいる。 あなたがたはまた自分で作らなかったぶどう畑と、オリーブ畑の実を食べている」。
 だからとヨシュアはいう。
「あなたがたは主を恐れ、まことと、まごころと、真実とをもって、主に仕えなさい」(ヨシュア記二四・一四)。
 
 ヨシュアの説教が終わったとき、会衆は、即座に答えていった。
主をすてて、他の神々に仕えるなど、われわれは決していたしません」。 「われわれがその証人です」(ヨシュア記二四・二二)
 ヨシュアは、この日、民と契約を結び、それを律法の書に書きしるした。 これがシケムの契約である。
 〔奇跡の項参照〕

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