二 芸能の内容 (一)先祓舞の練習 湯瀬神明社先祓舞の練習は普通、神明社の祭典の十日ほど前から行われ る。この間、太鼓、笛、手平鉦などの楽器の手入れ、衣装や白足袋などの 調達、草鞋や飾り棒など小物の制作などもなされる。 (二)宵宮 宵宮は、七月十五日である。 当日午前八時頃から、湯瀬集落に居住する人々、すなわち神明社の氏子 たちが社殿の内外や境内、参道などを清掃したり、除草したりする。 次に社殿を幕などで飾りつけ、神輿の準備、神籬作りなどが精力的に行 われる。神籬とは神の依代とされる榊の木のことであるが、ここでは高さ 一・五メートル程度、枝が三段になっている若松の木である。 渡御を知らせるときの触れ大太鼓に用いられる大太鼓も、しっかりと締 め付けられる。 宵宮の祭式は、午後六時頃から始まるので、安倍良行宮司や湯瀬温泉ま つり関係者、先祓舞の囃子方や舞人などがぞくぞくと神社に集合した。 時刻、宵宮の祭式が始まった。舞人たちは社殿前に整列して、舞人代表 に合わせて拝礼した。 続いて境内では、舞人たちによる一連の先祓舞が奉納される。 つまり、社殿では祭式が、境内では先祓舞が同時進行の形で行われる。 太鼓を先頭にして、境内を右回りに輪を描くように舞い廻る。笛吹きや 手平鉦たたきは、輪の外に立つ。 先祓舞の演目の節目に、花代(神酒などの奉納)を披露する口上があっ た。 役目を担う青年会員が、先祓舞の輪に割り入って高らかに口上するので ある。 やがて、祭式が終わって直会に入る頃、一連の先祓舞の奉納も終了し、 舞人たちは帰宅した。例大祭のお天気を祈りながら……。 |