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01 松館天満宮三台山獅子大権現舞

 第二節 芸能の伝承法
  一、松館天満宮舞楽保存会による伝承
 神楽舞を保存継承する団体としての保存会は、正式に結成された時期は
不確かであるが、昭和三十年代のことと思われる。
 それ以前は、既に熟達した方々を中心に、宮司や氏子総代、部落自治会
役員などが協力しあって楽人や舞人を募り、宮司宅に集まっていただいて、
神楽舞の維持保存を図ってきたものである。
 最近では、例祭が近づいて来る一か月前頃から、練習計画について保存
会の中で話が持ち上がる。会長が主となって、会員ともども、舞具の点検
や、練習会場となる当地の「松舘生活改善センター(八幡平公民館分館)」
の使用手続きを行う。
 また、新しく会員に入会したいとの意向を持っている、若い氏子たちの
勧誘をする。入会の話がまとまると、練習の初日から参加する。
 練習初日には、宮司宅に保管してある全ての舞具を同センターへ持ち込
み、最終の点検をする。獅子頭の毛髪を五色の紙で補強したり、太鼓の綱
を締めて音色を調整する。 そして会長や長老から、練習に当たっての重
要な事柄が指示される。
 
 新会員に対する技術の教育指導としては、新会員は熟練会員の側に付き
添って、見よう見まねでその技術を修得する。必要により熟練会員から要
点を伝授される。従って、伝授される技術は、当該熟練会員が到達した芸
風そのものとなる。また、新会員は必要により楽器、特に笛については、
自宅に持ち帰って逐一練習する場合もある。自宅などでの練習は、この期
間に限らず、周年を通して行われている。
 また、新会員に対しては、一種類の技術または舞のみではなく、出来る
だけ多くの種類の舞楽を習得するように指導している。
 一方、権現舞は体力を要するので、権現舞の役はそれなりに勘案して氏
子の中から選ばれるようである。また、お湯立て神事に係わる湯立て舞の
役は、会員の中で舞に熟達した者が担っているようである。
 新会員として入会するには、以前の別当職は別として、世襲などの特別
な会員資格はない。要するに、神前に神楽舞を奉納しようとする心構えと、
神楽舞の技術を習得したいとの意欲があれば、会員となれるのである。
 ただし、当松館菅原神社は、昔から氏子によって管理運営されてきてい
るので、保存会員は神社の氏子に限定されている。換言すれば、「松館部
落自治会々員」及びその同居家族であれば、よそからの移住者であっても、
保存会の会員になることができる。
 
  二、住民の芸能伝承意識
 当松館部落自治会では、青年会が主催する「住民総参加による演芸会」
を毎年行っている。現在ではこの演芸会を「松館天神様フェスティバル」
と称して、例祭の前日、すなわち宵宮祭の夜に同センターにおいて催され
る。児童から老年層に至るまで、それぞれ任意のグループを結成して、出
演する。演目は、民謡や歌謡曲などの歌から、舞踊や寸劇などに至るまで、
日頃の隠し芸を披露するのである。この演芸会の練習も、神楽舞の練習と
並行して、同センターにおいて行われている。
 宵宮祭を終え、宮司宅での直会でほろ酔い機嫌の神楽保存会員は、渡御
を奏でながら会場に出向き、舞台で権現舞を舞って、日頃の成果を披露す
ることとしている。この権現舞で、演芸会がいよいよ開幕となるのである。
従って、自治会々員の子弟は、幼少の頃より、このように神楽舞を親しみ
ながら見聞きしているので、後継者となるべき新会員の発掘は、現在のと
ころ困難な状況ではない。

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