五、芸態(仕草、拍子、足の所作など) (一)、仕草 前述のとおり、神楽舞の作法や所作は修験道に由来するものである。併 せて菅原神社、すなわち天神(雷神)と崇め奉る祭神菅原道真公の例祭に 奉納する神楽舞である。 また舞い人は、神域の中の神直日神等の神々は、その上空の、すなわち 遙かな宙に在すかのように見定めている。従って舞人は、その遙かな神々 にお供えし、またはお祝いする御幣や榊などの舞具を、前方上空を仰いで 奉持し、差し上げて舞い廻る。御稜威を仰いだり、慶びを捧げる襷や扇の 舞も同じようにして舞い廻るのである。 また、その舞を成就せんがために、舞具の裏表をひらひらさせるなど、 神々の目にとまるような仕草で舞い廻る。 従って、素朴でかつ荒々しく豪勇、一方では厳かで和やかな舞い仕草を 旨として代々受け継がれてきたものである。 よって、舞の中に遊びや笑いが採用されていない特徴がある。 (二)、拍子 1、渡御の曲 渡御の曲は、宮司宅から神社本殿への参進、及び神社から宮司宅への退 下のときに奏でられ、四拍子である。 2、権現舞の曲 権現舞の曲は、御幣舞、地舞、榊舞、青柳舞、扇舞、剱舞、権現舞のと きに奏でられる、神楽舞の基本となる曲で、これも四拍子である。 3、お湯立ての曲 お湯立ての曲は、湯立て神事のときに奏でられる曲で、これも基本は四 拍子であるが、斎湯を掻き回すときなどは、三拍子になることもある。つ まり作占いにおいて、斎湯を激しく掻き回すときは、その間、それに合わ せて調子が段々と速くなる。そしてやがて渦が穏やかになるに従って、調 子が段々と遅くなるのである。 (三)、足の所作 舞に当たっては、手と足の所作は同じにする。 舞の第一歩は力強くやや高く、足を膝ごと持ち上げて踏み出すことが基 本となっている。第二歩目からも、足を膝ごと持ち上げるよう心掛けてい るとのことである。 権現舞においては、歯打ちのときはいずれも、足を膝ごと持ち上げて、 高く跳ね上がるように豪快に舞い廻る。 |