神楽舞第八番目「藁太総(藁束房)舞・作占いの儀」 藁太総は、長さ約一尺五寸、直径一寸の稲藁束を撚り、それを二つに折 って太く短い縄状にした束で、先は切り揃えて束子状にしたものである。 一対が神域の手前の左右の木杭に仮結びしてある。 舞の曲は、四拍子を基本とする「お湯立ての曲」に替わる。 藁太総舞は、その藁太総をそれぞれ両手に持って斎湯に浸して潜らし、 続いてそれを両手に合わせて奉持し、願をこめる。この舞は、藁太総によ って護身法の九字を切り、五大尊を結び、真言を唱えて神を勧請する舞で ある。本年の稲作を占う。 一度目は、藁太総を左右の手に合わせて奉持し、斎湯に浸し潜らし一礼 して願をこめる。 右手の藁太総を前方上空に差し上げて右回りに舞い廻る。左手は腰に置 く。次に左手の藁太総を前方上空に差し上げて左回りに舞い廻る。右手は 腰に置く。舞はゆっくりとかつ厳かに舞う。つまり二拍子ごとに一歩を進 めるのである。これを三回繰り返す。 そして次に大釜の間近に至り、右手の藁太総を用いて斎湯を右回りに掻 き廻して渦を作る。廻す早さは次第に速くなる。それに合わせて笛や太鼓 の調子が速くなる。最速になったところで、すかさず藁太総を真っ直ぐ引 き抜く。そのときの斎湯の泡の芯の立ち具合によって、早稲の出来具合を 占うのである。 二度目は、藁太総を左右の手に合わせて奉持し、願をこめる。 左手の藁太総を前方上空に差し上げて左回りに舞い廻る。右手は腰に置 く。次に右手の藁太総を前方上空に差し上げて右回りに舞い廻る。左手は 腰に置く。これを三回繰り返す。 そして次に大釜の間近に至り、左手の藁太総を用いて斎湯を左回りに掻 き廻して渦を作る。最速になったところで、すかさず藁太総を真っ直ぐ引 き抜く。そのときの斎湯の泡の芯の立ち具合によって、中稲の出来具合を 占う。左回りが不得手のときは、右回りとすることもあるとのことである。 三度目は、藁太総を左右の手に合わせて奉持し、願をこめる。 右手の藁太総を前方上空に差し上げて右回りに舞い廻る。左手は腰に置 く。次に左手の藁太総を前方上空に差し上げて左回りに舞い廻る。右手は 腰に置く。これを三回繰り返す。 そして次に大釜の間近に至り、二束の藁太総を右手に合わせ持って斎湯 を右回りに掻き廻して渦を作る。最速になったところで、すかさず藁太総 を真っ直ぐ引き抜く。そのときの斎湯の渦の芯の立ち具合によって、晩稲 の出来具合を占う。 斎湯の渦の波が穏やかになったところで、藁太総二束を両手に奉持して 一礼し、藁太総を左右の木杭の許に置く。 ちなみに、今回(平成十一年)の占は「早稲」と出たとのことである。 同年のこの郷内の稲作は、極めて豊作であったという(この年は全国的に も豊作であった)。 |