第三節 芸能の構成・芸態 一、演目と内容 松館菅原神社例祭奉納神楽「松館天満宮三台山獅子大権現舞」(神楽舞) の概要について、以下のとおり調査した。 神楽舞が奉納される祭場は、松館菅原神社境内の南側の一郭である。早 朝より松館部落自治会の、毎年輪番となっている当番班は祭場作りをして いる。広さ約一間四方の火焚き場には、注連縄を張り巡らし、据え付けて ある大釜一杯の斎湯は煮えたぎっている。 お湯立て神事など一連の神楽舞においては、この大釜の据え付けてある 火焚き場を「神域」と見定めている。神域の御前、つまり火焚き場の直ぐ 手前には、むしろ大の薦を三枚敷いて、そこを舞処とする。舞人などの履 く草履が三足(一足は予備)揃えてある。 神楽舞の奉納に当たって、まず祭員による御前や舞処の四方を祓う修祓、 宮司によるお湯立て神事の祝詞奏上が行われる。 その後、順次楽人たちが所定の位置に着き、姿勢を整えて司会の合図を 待っている。 この神楽舞は、修験道を修める山伏の衣装を着て奉仕することとなって いるので、全員が白衣、白袴、白足袋を着用し、頭には烏帽子を被ってい る。 楽人のうち笛吹き手は、山崎芳男(敬称略、以下同じ。)、川村和男、 奈良勝哉、櫻田義広、奈良貢、似鳥明雄、岩尾重博などが当たる。 なお、笛吹手としては、保存会に入会していない氏子も、飛び入りで参 加することもある。 太鼓打ち手は、似鳥久雄、似鳥勇一、山崎登などが当たる。 手平鉦による拍子打ち手は、舞人が交代で当たる。似鳥治男、戸舘昌則、 佐藤正孝、田中昌市などが舞のほか、手平鉦役を務める。 この神楽舞に関して、参拝者や報道関係者などに対してに分かりやすく 解説し、また奉納神楽の円滑な斎行を期するため、この神楽舞をよく熟知 している保存会員が司会を担当する。ここ数年は、長老格の下田初雄がこ の任に当たっている。同会員はまた、御神歌の歌い手も務める。 やがて、司会による解説があり、最初の舞が奉納される。 |