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鹿角市文化財保護協会「上津野」NO.31

平成十七年度研修視察に参加して

 平成十七年度の鹿角市文化財保護協会研修視察は八月三十日、鹿角市
役所のマイクロバス定員二十九名満席で、仙北郡田沢湖町・角館町方面
へと向った。
 季節はもう遅い夏ではあるが、天気は上々、協会事務局の担当役員始
め、参加者一同上機嫌であった。
 道路沿いに打ち続く田んぼの稲は、既に穂を垂れ始め、このままでは
今年は豊作気分、早く収穫したいと気がはやる。
 大分時の経過を感じさせるマイクロバスは、うなりを上げて郡境を越
え、田沢湖町へと進んで行った。
 
一、田沢湖町の郷土史料館
 この郷土史料館は、仙北郡田沢湖町の田沢湖の、北東の湖畔にある。
今は失われてしまった田沢湖の魚族の標本を始めとして、町内の民俗資
料を一般公開しており、先人の偉業と生活の知恵を後世に伝えるととも
に、郷土文化の発展を願い、明治百年の記念事業として建設されたもの
である。主な展示資料は、国指定民俗資料田沢湖の丸木舟、国鱒(標本)
や漁労具、狩猟具、町内遺跡出土品、生活用品、農耕具など約千点であ
るという。

 十和田湖は神秘の湖として人々を寄せ付けない歴史を背負ってきたが、
田沢湖は、その周囲のいたる所に人家があり、湖に生息する魚類ととも
に暮らしてきた歴史を有している。
 わが国最深、すなわち水深四二三・四メートルの田沢湖には、国鱒と
呼ばれる深湖魚が生息し、世界でも田沢湖以外では確認されていない珍
種といわれている。ところが昭和十五年、電源開発と農地開拓という国
策の名のもとに、玉川の強酸性水を田沢湖に注ぎ込んだことにより、国
鱒を始め、コイ、イワナ、コアユ、ウナギなどの多くの魚類の魚影が消
えてしまったのである。
 昔は「国鱒一匹、米一升」といわれ、田沢湖特産の幻の魚であった。国
鱒は最大三十センチまでの鱒で、全体に黒っぼく、湖の深いところに生
息し、産卵期の時だけに浅場に寄ってくるという。
 国鱒はサケ科に属し、ヒメマスの亜種とも考えられており、産卵の最
盛期が他のサケ・マス類と異なり冬である。このように、特異な生態か
ら独立の種との見方もあるという。
 展示されている漁具などを見ると、ここの住民は、この上なく田沢湖
と関わりを持ち、親しんできたかが偲ばれる。
 現在は田沢湖の水質改善が進み、ウグイやコイなどが泳ぐようになっ
てきているという。
 

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