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鹿角市文化財保護協会「上津野」NO.31

十八、焼成雰囲気
 焼成雰囲気には、酸化炎焼成(OF)と還元炎焼成(RF)の二つが
ある。
@酸化炎焼成(完全燃焼)で仕上がった作品は色彩が鮮やかであり、還
元炎焼成(不完全燃焼)で仕上がった作品は深い味わいがある。還元炎
焼成では、温度が九〇〇〜九五〇℃辺りになったら、電気窯ではプロパ
ンガス炎を混入、薪窯では追い焚きをする。
A自然界では、例えば鉄は酸化の状態、銅は硫化(〜酸化)の状態で存
在する。したがって鉄は錆色(酸化炎のときの色)、銅は緑色系(酸化
炎のときの色)を呈する。それを還元炎で焼くと、本来の色、つまり鉄
は青色〜灰色〜黒色、銅は赤色〜赤銅色に発色する。
B還元炎焼成の伝説
 陶芸関係者の話や陶芸関係参考図書などから、私なりにとりまとめた
還元炎焼成にまつわる伝説について述べる。
 
 昔中国のある国王(皇帝とも)は、優秀な陶工をかかえて、青色系の
良品を焼かせていた。
 あるとき、陶工が窯で焼成中に、一匹のイノシシ(ブタとも、シカと
も)が窯に迷い込んで焼けてしまった。
 ところが、その窯出しのとき、青色であるべき器の中に、鮮やかな赤
色の器が一つ見出された。
 この赤い器を国王に差し上げたところ、国王はその素晴らしさにこと
のほか喜び、陶工に対して数々の褒美を賜った。そして曰く、
 「この妖しい赤い器をもっと焼くように」と。
 
 陶工は一生懸命研鑽して焼成を試みたが、一向に赤い色の器は出来な
かった。
 思い悩んだ陶工は、盛んに焼成中の窯の中に、自らの身を投じた。
 しかして、その窯出しのとき、全ての器は、見事な赤い色を呈してい
た。
 この伝説が「鈞窯」の起こりであり、還元炎焼成の発見伝説といわれ
ている。

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