九、 成形の手法「手びねり」 手びねり(手づくねとも)で器を作る主な手法に、次のようなものが ある。なお、抹茶茶碗程度の大きさのものは、厚さは二分(約六ミリ) を基本とし、器の大小によって、その厚さを加減する。器以外のもの、 例えば球形のものは、中心までの火の通りをよくするために、中をくり ぬく必要がある。また器の場合、その中心部分、つまり高台(底の真中) 部分の厚さが、側面より薄いと割れる可能性が高いので、薄くならない よう心掛ける。 @輪作りとは、まず底となる部分を手ロクロの回転台の中央に敷き、そ の円周の端に、ドーナッツ状に丸くした粘土を載せる。接着部分にはト ベ(泥漿)を塗り、隙間の出来ないように、よく接着させる。ドベとは 同質の粘土を水で溶かしたもので、糊の役目を果す。器の側面となるド ーナッツ状の粘土を、手ロクロを回しながら必要な厚さに引き伸ばして ゆく。形が整ったら、底と回転台との間を糸で切り取って、亀板(亀の 甲の形をした八角形の板)に載せる。糸で切ることを糸切りという。 A紐作りは、やきもの作りの基本手法である。どんなに大きな器でも作 ることが出来る。まず底となるの部分を手ロクロの回転台の中央に敷き、 その円周の端に、紐状に細くした粘土をラセン上に巻いてゆく。接着部 分にはドベを塗り、よく接着させる。 側面の下部は、上部の粘土の重さに耐え得るように、やや厚めにする。 器は広げることは容易いが、高くすることは難しいので、初心のうちは 高くすることに慣れる必要がある。 B板作りとは、粘土を板状に延ばし、筒状のものに巻きつけて作ること である。例えば湯呑み茶碗の場合、まず底を敷き、それにサイダー瓶を 立て、板状に延ばした粘土を巻きつけるのである。 Cタタラ作りのタタラとは、板状のものを指す。例えば四角い銘々皿を 数枚作るとき、粘土を六面体の塊にし、それを同じ厚さになるように糸 又は針金(ごく細いワイヤー)で必要枚数を次々に切る(輪切り)。後 はそれぞれの形を整え、周囲をやや持ち上げて皿らしくする。 Dフタ物作りでは、例えば香合のようなものの場合、フタと器とは乾燥 するときも、素焼きするときも、本焼きするときも、常にフタをしたま まの状態でこれを行うことを原則とする。ということは、粘土はそれぞ れの加工工程を経るにしたがって、必ず変形してゆくので、それを各工 程の都度、しっくり合うように修正しておく必要があるからである。 E玉作りとは、例えば抹茶茶碗の場合、六〇〇〜七〇〇グラムの粘土を 玉、つまり球形にまとめ、それを手ロクロの回転台の中央に載せ、頂部 に両親指を差し込んで、器の形に作り上げることである。ある程度粘土 に慣れてくると、うまく出来る。 なお、手びねりの場合でも、次の水引きの場合でも、抹茶茶碗程度の 大きさの器が一番作り良い。これは、私どもの手や指の大きさが、抹茶 茶碗の大きさと相応しているからである。抹茶茶碗より大きくなるにし たがって、また逆に小さくなるにしたがって難しくなる。 |
