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鹿角市文化財保護協会「上津野」NO.31

陶芸と私
 
一、 はじめに
 陶芸とはやきもの作りのことで、粘土を任意に成形して、一二五〇℃
の高温で焼成することである。
 ところで、私は六十歳の定年を前にして、故郷鹿角市に定住するにあ
たり、何か芸を身につけておこうといろいろ模索していた。

 陶芸は結構手間がかかるので、まだ全国的にはそんなに普及していな
い。いわゆる「せともの」つまり磁器や、「やきもの」つまり陶器(一
応本稿ではこのように定義する)の売り場辺りには、男性客は稀である
が、女性客がよく品定めをしているのが目につく。
 そのようなことから、鹿角でもまだ珍しい「やきもの」作りを習得し
て、地域の方々始め同年輩の女性の方々とともに、これからの人生に、
お互いに潤いをもたらそうと思ったのが、陶芸を始めた理由である。
 
 鹿角の自宅で陶芸をするには、とりあえずそれなりの名前をつける必
要がある。私の居所は市内八幡平字松館であり、奉仕している神社を「
松舘菅原神社」といい、ご祭神は菅原道真公である。道真公の貶謫先の
九州大宰府での庁舎の別名を「都府楼」、道真公の自宅である京都の学
習塾を「菅家廊下」という。それにあやかって、松舘天神焼研究室「陶
阜廊」と呼ぶことにした。

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