下タ沢会によせて(覚書)

かえり荷

 その牛だが、牛にとって26貫や32貫は軽いか重いかは別として、牛だって汗を流 して頑張ったろう。時には牛方にケッツをたゝかれることもあったろうと思う。が 帰りは荷物もなくて、からの背中でラクチン、ラクチンであっろうと思ったが、そ うは問屋がおろさない。帰り牛は、大坂などから入った日用雑貨類などをつけてき たという。重かったかカサばったか知らないが、行きも帰りも難儀したことゝ思う。

 ところでその帰りの荷だが、「野辺地からの帰り牛で、大坂から銅山送りの雑貨 が運ばれた。その主なるものは、塩、木綿、七島表、釼、紙類、薬、茶、羽口竹、 狸皮、大千木等であった。」また「野辺地郷土史料」は、帰り牛による銅山送り物 資のうちに馬肉を挙げている。その時代は明らかでないが、これは坑内労働による 疾病の薬用として、坑夫に用いられたものと伝えている。」

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