下タ沢会によせて(覚書)

どんな風にして坑道を掘ったろうか

 さて、こうした稼行中の坑道がたくさんあるわけですが、鉱石はどんな風に掘っ ていたろうか、同書によれば、

 「坑道掘進には役方の設計によって、まず方位高低を定め、次に加背を定め、割 突込を決める。加背とは坑道の大きさで、たとえば竪5尺横3尺という如きである。 割突込みというのは引立、即ち掘り進んで行く坑道の面を幾つかの区画に割り、一 区画を何寸の深さに剪るかを決めるのである。たとえば割突込十割二寸といえば区 画を10に割り、一区画を二寸の深さに剪り進むことである。この決め方は岩石の状 況によるもので、石が柔かであれば割の数が少なく、突込を深く決めるという訳で ある。普請掘の方法は普通平掘といって、大工三人に掘子二人を組合せて掘鑿させ るのである。」
 ということで、いくらかわかった気分になる。

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