鹿友会誌(抄)
「第三十冊」
 
△想起す故人十三氏   月居哲嶺
 杉浦先生の称好塾報には、物故せる塾友の名簿も添へて居る。繙いて塾報を見る度に、 懐しき故人の死去以来、既に幾星霜を閲せるかなどゝ追憶を久ふし、旅行でもして偶々 亡友の永眠する地を過ぐれば、其の墓を展ずることも出来る。寔に人情の上に、亡友名簿 の有意義なるを思はしむるものがある。該名簿は姓名、死亡年月日、埋葬墓地住所地を 示して居る。
 
 然るに我が鹿友会誌には、死んだ人の名は淘汰されて、是等懐しき友を追憶すべき名簿 の記載なし、僕、多年之を遺憾とし、亡友名簿の完成を期したい主張の一点鐘として、 此の文を書きました。
 折戸、川口、石田、大里等の神代史中の大先輩のことは、所謂載積徴すべきなしで、 貌(之繞+貌)乎として知るべからず、之を略す。中古史時代の所より書いて見ます。
 記載順は年代不明ですから、近きより遠きに及ぶ主義で進めます。順序は軽重を意味する ものでないことは勿論です。

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