鹿友会誌(抄)
「第二十冊」
△亡友追悼録
○久慈丑太郎君 君は宮川の人、故山口岩吉君と殆ど同時代に上京、夜間人力車を挽く 等、
頗る苦楚を嘗めて、獣医学校に入学されしが、後、阿部藤助君の扶助を得て業を終 へ、郷里に帰りて開業し、若手の獣医として頗る信用ありしが、天藉すに齢を以てせず 、昨冬郷里に於て易簀せらる、前途春秋に富む、君の如くして俄に逝く、真に痛恨に堪 へざるなり。
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