鹿友会誌(抄)
「第十二冊」
 
△死亡会員
 会誌前号発刊以後本会員中、左の諸氏を亡ひたるは誠に悲しむべき次第なり、茲に記 して謹んで弔意を表す。(編者)
 
▲黒澤慶太郎君 予て病気療養中なりし花輪町谷地田町の同君は、薬石其の効なく昨 年秋、遂に長逝せられたり、氏は明治二十四五年頃出京せる会員にして、帰郷の後は一 時花輪町役場に勤務したる人なり。
 
▲田口太郎君 内藤虎次郎氏婦人の令兄なる同君は、久しく仙台に在り、多年鉄道院に 勤務せられ令名ありしが、昨秋病没せられた。
 
▲木村龜太郎君 明治二十六七年頃東京に在に、順天求合社を卒業し、進んで高等工業 学校に入学せんとして不幸、脚気病に罹りて果さず、恨を呑んで帰郷し、爾来加養回復 の後は、専ら家事に従事し居られし同君は、今年二月遂に逝去せられたり。同君は内藤 虎次郎氏の令甥なり。

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