「桑の實」
 
〔故阿部忠志さんの霊前に捧ぐる歌〕
花ならば未だ開かず清らけき
  二十八の年を君は逝きけり

かなしみの涙溢れ来ぬ満州に
  淋しく逝ける君を想へば

父君は老ひ給ふなり若くして
  現世(うつしよ)去りし君を恋ひつつ

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