13303吹雪の中の灯りッコ 参考:鹿角市発行「十和田の民俗」 オカラと云う家で、婿取りがありました。冬の寒い吹雪の夜のことでした。 鴇トキト(地名)と云う所から婿が来ることになったので、亭主役の本家のお父さんは、 先に立って歩いていました。山根小学校のある所に出て、それからまた歩き続け、関上 の上の辺りに来たところで、本家のお父さんは道に迷ってしまって、畑の中に立ちすく んでしまいました。 先立ちをしていた本家のお父さんを、吹雪の中で見失った一行は、本家のお父さんよ りも先にオカラに着いてしまいました。そこで初めて亭主役の本家のお父さんが、未だ 来ていないことを知り、大騒ぎになってしまいました。みんなで手分けして、吹雪の中 を探したら、本家のお父さんは、蟹沢に居ました。どうしたのかと訊ねると、 「真っ暗な吹雪の中に、灯りッコが見えたために、迎人ムカエトが来たなと思って、その灯 りッコを見て歩いて来たら、こんな所まで来てしまった」 と言いました。 それで、『その灯りッコは、狐だな……』と、みんな思いました。(瀬田石)[次へ進む]