5708堪忍沢カンニンザワと蟹沢ガニザワ(蟹沢) 参考:鹿角市発行「陸中の国鹿角の伝説」 昔、花輪の高瀬館に高瀬半兵衛ハンベエと云う侍が居りました。 また、尾去沢の尾去館に尾去越中ノ守エッチュウノカミと云う侍が居りました。 あるとき、どうしたことか争いとなって、高瀬の半兵衛が馬に乗って尾去へ攻めて 来ました。 そこで、尾去越中ノ守が牛ベコに乗って出掛けました。 そして、尾去沢の下モ平シモタイのシマダ道の処で戦イクサをしました。 ところが足の遅い牛で行った尾去越中ノ守が勝って、どんどん高瀬の方に攻めて行き ました。途中で高瀬の半兵衛のことを山のお堂のある沢中に押し込めてしまいました。 そこで半兵衛が、 「どうか、堪忍して下さい」 と頼みました。 それから、そこいら辺りを堪忍沢と呼ぶようになりました。 また、尾去沢では堪忍沢に続いている処を勝沢と云ったそうですが、段々と蟹沢と呼 ばれるようになったのです。