5709火柱の話(尾去沢) 参考:鹿角市発行「花輪・尾去沢の民俗」 尾去沢鉱山の溶鉱炉の大煙突の煙の立ち方で、地元尾去沢始め、近郷近在の人々は、 いろいろ占いをしていたようです。例えば、 「日中、高い煙突の煙が西になびくと雨が降る」 とかいうように……。 溶けた鉱石を型に流し込む時、又は新しい鉱石を入れる時などは、火の粉が煙突から 飛び出すのか、夜には一きわ明くるく輝き、火柱のように立つのだそうです。 昔々の言い伝えですが、ある年のことでした。特に大きい火柱となって、花輪の方へ 倒れたので、 「これは大変だ、何か不吉なことがなければいいが……」 と、皆でさわいだそうです。その時丁度倒れたあたりから、にわかに火の手があがり、 町の大半は火の海となったとのことです。