[鹿角の時は流れ行く]
83 領界紛争
 
〈秋田側の祝い事〉
 慶長十年(1605)以来、約七十年間にわたって紛争が続け
られ、論地内における草刈り、薪柴採りなども一切停止され
てきたので、百姓達への日常生活にも大きな支障を与えてい
たのは勿論であるが、わけても秋田藩にとっては、秋田杉の
宝庫である長木沢(大館市)の伐採が禁止されていたので、
藩の不満は大なるものがあった。
 従って、延宝五年(1677)の幕府の裁定による解決の喜び
は一入ヒトシオ大きく、三代藩主義処ヨシズミは、重臣を始め拠人
コニンに至るまで、褒美、加増、銀子などによって、関係者の
労をねぎらい、その喜びを分かち合った。
 その内容に見てみよう。
 『国典類抄(抜粋)』表示
[次へ進む] [バック]