目明(めあき)千人、盲(めくら)千人。 解釈:世の中には道理の分かる人もいれば、分からない人もいる。 類義:盲十人、目明十人。 名家三代続かず。 類義:長者に二代なし。 明鏡止水(めいきょうしすい)。 解釈:曇り一つない鏡と、よく澄み切った水のこと。静かに澄んだ心境をた とえていう。 明鏡(めいきょう)も裏を照らさず。 解釈:曇りのない美しい鏡でも、裏側まで映すことは不可能である。どんな に知恵のある人でも、見落とすことはあるというたとえ。 名所に見所(みどころ)なし。 解釈:世間で名所と呼ばれる場所に限って、詰まらない所が多いということ。 名は実を伴わないことのたとえ。 類義:名物に旨い物なし。 名人は人を謗(そし)らず。 解釈:名人の域に達したような人は、人の悪口は言わないものである。 類義:名人は人を叱らず。 明哲(めいてつ)身を保つ。 解釈:聡明で物事の道理に通じている人は、自分の身を全うする。 用例:明哲、保身の術。 冥途(めいど)の道に王なし。 解釈:死ねばこの世の貧富の差も一切なくなってしまう意。また、どんな人 でも死を免れることはできないということ。 冥途(めいど)の道も金(かね)次第。 類義:地獄の沙汰も金次第。 命(めい)は天に在り。 解釈:運命は天の定めであり、人間の力ではどうすることもできない。 名馬に癖あり。 解釈:名馬と呼ばれる馬は、癖を持っている。人間も、大人しいだけではず ば抜けた働きはできないということ。 類義:癖なき馬は行かず。 名筆(めいひつ)は筆を択ばず。 解釈:名人といわれるような人は、道具や材料が悪くても、優れた仕事をす る。下手な人に限って、道具に拘るものだ。 類義:弘法(こうぼう)筆を択ばず。能書(のうしょ)筆を択ばず。 反義:下手の道具選び。下手の道具調べ。 名物に旨い物なし。 解釈:名物と呼ばれる物に、美味しいと思われる物がないこと。名と実は伴 わないことのたとえ。 類義:名所に見所なし。名物は聞くに名高く、食うに味なし。 明眸皓歯(めいぼうこうし)。 解釈:澄んだ瞳(ひとみ)と白い歯のこと。美人の形容。 牝牛(めうし)に腹突かれる。 解釈:油断して予想外の物から攻撃を受けること。また、思わぬことでひど い目に遭うこと。 類義:芋茎(いもがら)で足を衝く。 目から鼻へ抜ける。 解釈:賢いこと。抜け目のないこと。 類義:一を聞いて、十を知る。目から入って、鼻へ出る。 反義:十を聞いて、一を知る。 目糞、鼻糞を笑う。 解釈:自分の欠点に気付かずに、他人の欠点を嘲(あざ)笑うこと。 類義:蝙蝠(こうもり)が燕を笑う。猿の尻笑い。樽抜き、渋柿を笑う。鼻 糞が目糞を笑う。目脂(めやに)が鼻垢(はなあか)を笑う。 参考:The pot calls the kettle black.(鍋が薬缶を黒いと笑う) 盲(めくら)が杖を失ったよう。 解釈:支えを失って途方に暮れること。 類義:川から上がった河童。木から落ちた猿。 盲(めくら)、蛇を怖(お)じず。 解釈:無知な者は物怖じしないで、向こう見ずなことを平気でするたとえ。 類義:唖(おし)は雷を恐れず。 参考:Fools rush in where angels fear to tread.(天使が入ることを恐 れるような場所に、愚か者は飛び込んで行く) 飯食った後と、損した後に永く居るものでない。Done for a place to stay. 解釈:用事が済んだ所に何時までも居ると、碌なことはない。 活用⇒用が済んだら、すぐに立ち去れ。When you have finished, now begone. 目尻を下げる。 解釈:女性に見とれて、締まりのない様。やに下がる。 目白(メジロ)の押合(おしあい)。 解釈:大勢で込み合うことのたとえ。目白は群れをなす習性が持ち、木に止 まるときもくっ付き合っている。めじろ押し。 目(め)千両。 解釈:目先がとても美しいこと。千両もの値打ちあるほど美しい目。 丁斑魚(めだか)も魚(とと)のうち。 解釈:問題にならない物でも、仲間には違いないこと。 類義:雑魚(ざこ)の魚(とと)交り。目高(めだか)の魚交り。 目で見て、口で言え。 解釈:自分の目で確かめてから、物を言えということ。見ていない事を喋る ものではないという戒め。 目で見て、鼻で嗅ぐ。 解釈:注意の上にも注意すること。 目で目は見えぬ。 解釈:分別のある人でも、自分の欠点には気付かない場合が多いということ。 類義:目は毫毛(ごうもう)を見るも、睫(まつげ)を見ず。 目と鼻の間。 解釈:短距離。直ぐ側。 類義:目睫(もくしょう)の間。 目に一丁字(いっていじ)なし。 解釈:少しも文字が読めない。また、無学である意。「一丁字」は一個の文 字。 類義:一丁字を識(し)らず。 目に入れても痛くない。 解釈:非常に可愛がることの形容。 目には目、歯には歯。(聖書) 解釈:与えられた仕打ちに、同じような報復手段で応じること。 活用⇒恨みには、徳で返す。It returns to the virtue by the grudge. 反義:怨みに報ゆるに徳を以てす。 参考:An eye for an eye, and a tooth for a tooth.の訳語。 目のあるだけ不覚。 解釈:目の不自由な人は、それを口実に言い訳できるが、目が見えればその 口上は通らない。どうしても自分の不明を認めざるを得ないこと。 目の上の瘤(こぶ)。 解釈:目障りな物。邪魔者。 類義:鼻の先の疣々(いぼいぼ)。目の上のたんこぶ。 目の正月。 解釈:美しい物、珍しい物などを見て楽しむこと。 類義:目の薬。目の保養。 目の寄る所へは、球も寄る。 解釈:目と共に瞳(ひとみ)も動く。同類が相集まること。また、何か一つ 事件が起こると、相次いで同じような事が起こること。 類義:同気相求む。類は友を呼ぶ。類を以て集まる。 目は口程に物を言う。 解釈:口に出さなくても、目付きで気持を伝えることができるということ。 類義:目は心の鏡。目は心の窓。 目は毫毛(ごうもう)を見るも、睫(まつげ)を見ず。 解釈:他人についてはよく気が付くのに、自分のことは分からないというた とえ。 類義:睫は見えず。目で目は見えぬ。目は自ら見るに短なり。目は能(よ) く百歩の外を見て、自ら其の睫を見る能(あた)わず。指で指は指せぬ。 目は心の鏡。 解釈:目を見れば、その人の心の内が知れること。心が美しければ、瞳も美 しく輝いている。 類義:目は口程に物を言う。目は心の窓。 参考:The eye is the mirror of the soul.(目は魂の鏡) 目八分に見る。 解釈:見下した態度で人に対すること。 目八寸。 解釈:目から八寸(約24p)程離れた位置が、一番見やすいこと。 目病み女に、風邪引き男。 解釈:目を患い、潤んだ目付きの女と、風邪を引いて喉に白い布を巻いた男 の姿は粋に見えるということ。 目を掩うて雀を捕(とら)う。 類義:耳を掩うて、鐘を盗む。 目を剥くより、口を向けよ。 解釈:叱り付けるより、納得するように話す方が効果があること。 面従後言(めんじゅうこうげん)。 解釈:上辺では服従するように見せているが、隠れていろい悪口を言うこと。 類義:面従腹背(めんじゅうふくはい)。 面張牛皮(めんちょうぎゅうひ)。 類義:面(つら)の皮の千枚張り。 牝鶏(めんどり)歌えば、家亡ぶ。 解釈:妻が勢力を得て、事業などに手を出すようになると、家の事が疎かに なり、やがては滅びること。 類義:牝鶏(ひんけい)晨(あした)す。牝鶏(めんどり)に突かれて時を 歌う。 牝鶏(めんどり)に突(つつ)かれて時を歌う。 解釈:夫が妻の意見に従うこと。嬶天下(かかあでんか)。 類義:牝鶏勧めて、雄鶏時を作る。 面皮(めんぴ)を剥ぐ。 解釈:陰で悪事をする者を暴き、厚かましい人に恥を掻かせ、懲らしめるこ と。 類義:面(つら)の皮を剥ぐ。 面目躍如(めんぼくやくじょ)。Lifelike face. 解釈:前評判や世間の評価通りの活躍をすること。地位に相応しい実績を残 すこと。大活躍し、生き生きしていること。「面目」は「めんもく」とも読む。 活用⇒評判どおりの活躍をしている。It takes an active part as it is a reputation. 面面の楊貴妃(ようきひ)。 解釈:人はそれぞれに、自分の妻が美人だと思うものであるということ。 面も笠も脱ぐ。 解釈:過去の不義理を清算し、堂々と世間を渡り歩ける状態にすること。 |