仕上げが肝心。 解釈:何事も最後の仕上げが一番大切。物事は途中の経過よりも、出来栄え が肝心という意。 活用⇒成果の美。[守] 類義:有終(ゆうしゅう)の美。 思案投げ首。 解釈:いろいろ考えた末、よん考えが浮かばず、困り切って首を傾ける様子。 「投げ」と「思案無げ」をかけている。 活用⇒向日葵が思案する。[守] 思案の案の字が百貫する。 解釈:物事をするときは、軽々しく行動しないで、よく考えてから取り掛か るのが大切。 活用⇒思案分銅。[守] 類義:堪忍の忍の字が百貫する。分別の別の字が百貫する。 塩辛を食おうとて水を飲む。 解釈:物事の順序を取り違えること。塩辛を食べると喉が渇くから、先に水 を飲んでおこう、というのは目的と手段が逆になっていて意味が無い。 活用⇒前茶後菓。[守] 類義:夕立のせぬ先に、下駄履いて歩く。 塩を売れば、手が辛くなる。 解釈:仕事・職業の習慣が身に付いて、生まれついての天性のようになるこ と。医師の薬の匂いや魚屋の魚臭さなど。 活用⇒神職の背中は三角定規。[守] 四海兄弟(しかいけいてい)。 解釈:この世の人は皆同じ人類で、分け隔てなく兄弟のようであるというこ と。 類義:四海同胞。四海を家となす。 四海の一滴。 類義:九牛(きゅうぎゅう)の一毛(いちもう)。 志学(しがく)。(論語) 解釈:十五歳をいう。孔子(こうし)が学問を志した年。 四角の座敷を丸く掃く。 解釈:横着な仕事振り。気を配らず、手を抜いて仕事をするたとえ。 自画自賛(じがじさん)。 解釈:自分のことを褒める。元は自分の画(え)に自分で詩や文を書き加え ること。 類義:手前味噌。 四月雷は旱(ひでり)の元。 解釈:四月に雷があるような年は旱魃(かんばつ)になり、凶作となる。四 月とは陰暦四月のこと。 自家撞着(じかどうちゃく)。 解釈:自分の言っていること、していることの辻褄が合わなくなること。 「撞着」は突き当たる意。 類義:矛盾。 歯牙(しが)に架く。 解釈:取り上げて論議の的とする。議題として検討の素材とする。 歯牙にも架けない。 解釈:問題にしない。取り立てて論じない。「歯牙」は歯の意から転じて、 口先、議論の対象の意。 自家薬籠(じかやくろう)中の物。 解釈:自分の自由になる物をいう。自分の手の中にあって、何時でも自分の 役に立つように使える物や人の意。 類義:薬籠の中の物。 鹿を逐(お)う者は、山を見ず。 解釈:一つの事に熱中している者は、他事を顧みる余裕がない。目先の利益 追求に夢中になっている者には、それ以外の事柄が見えず道理を見失うたとえ。 類義:鹿を逐う者は兎を顧みず。鹿を追う猟師は山を見ず。 参考:傍目八目(おかめはちもく)。 鹿を指して馬と為す。 解釈:明らかに間違いと分かることを、脅しや威圧によって正しいこととし て押し通すこと。無理のごり押し。 類義:鴨を家鴨(あひる)とささえる。鷺(さぎ)を烏。 閾(しきい)が鴨居(かもい)。 類義:閾が高くなる。 閾が高くなる。 解釈:不義理をしていた人の家に行き辛くなった状態。 類義:閾が鴨居。 閾を跨げば、七人の敵あり。 類義:男子、家を出ずれば、七人の敵あり。 色即是空(しきそくぜくう)空即是色(くうそくぜしき)。 解釈:形ある物全ては因縁(いんねん)によって生まれたものである。その 本質は空(くう)である。しかし空が同時にこの世の物全ての現象を形成して いるという仏教の教え。 色欲(しきよく)は命を削る斧。 解釈:女の色香(いろか)に溺れると、寿命を縮めるという戒め。 類義:美女は生を断つ斧。 しくじるは稽古のため。 解釈:一人前に上手になるには、失敗が付きもの。しくじったときの負け惜 しみ、自己弁解、慰めにも用いる。 類義:失敗は成功の基。 四苦八苦(しくはっく)。 解釈:この世に存在するあらゆる苦しみ。仏教の生・老・病・死の四苦に、 愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとく く)・五陰盛苦(ごおんじょうく)の四苦を合わせて八苦とする。 自業自得(じごうじとく)。 解釈:自分でした悪業(あくごう)の報いを受けて苦しむこと。 類義:因果応報。身から出た錆(さび)。 参考:As you sow, so shall you reap.(蒔いた種は刈り取らなければなら ない) 地獄極楽は心にあり。 解釈:地獄とか極楽は、自分の心持次第で、死後のあの世に存在するのでは なく、自身の心の中にある。 類義:地獄も遠きに非(あら)ず、極楽もまた眼前なり。地獄も極楽も目の 前にある。 地獄で仏。 解釈:危険や苦難の真っ只中で、予想もしない助けに会ったときの喜びの表 現。 類義:地獄で舟。地獄の地蔵。 地獄にも知る人。 解釈:世の中どんなに遠い場所に行っても知人に会う。一方、どんな場所に 住んでも知り合い、友人はできるものだ、という二つの意味がある。 類義:地獄にも近付き。冥途(めいど)にも知る人。 地獄の一丁目。 解釈:脅し文句。もう引き返すことのできない人生の破滅への入り口の意味。 江戸時代、入ったら生きては帰れない入牢(にゅうろう)のことをいった。 地獄の上の一足飛び。 解釈:これ以上の危険はないということのたとえ。 類義:地獄の一足飛び。 地獄の沙汰も金(かね)次第。 解釈:死後、地獄に行っての裁判でさえ、金で左右される。ましてこの世は 金が物を言う。 類義:金の光は阿弥陀(あみだ)ほど。銭ある時は鬼をも使う。人間万事金 の世の中。 地獄は壁一重(ひとえ)。 解釈:人は一寸した心の油断で道を間違えて罪を犯してしまう。正しい道と 邪道とは壁一枚で隣り合わせということのたとえ。 地獄耳。 解釈:一度聞いたら何時までも忘れない人のこと。また、どこで聞いてくる のか情報収集の早い人のこと。 地獄も住家(すみか)。 解釈:住み慣れればどんな所でもそこが住みよくなる。 類義:住めば都。 市虎三伝(しこさんでん)。 類義:三人虎を成す。 自己韜晦(じことうかい)。I do not boast. 解釈:自分の才能や地位、業績などを隠して、人に知られないようにするこ と。自分をひけらかさないこと。「韜晦」は、能力や学識などを隠すこと。 仕事は多勢(たぜい)。 解釈:大勢で力を合わせて仕事をした方が効率的で捗る(はかどる)。 活用⇒業務多勢(食膳小勢)。[守] 類義:仕事は多勢、旨い物は小勢。 仕事を追うて、仕事に追われるな。 類義:仕事は積極的に先へ先へと片付けろ。溜めて追われるようではいけな い。 類義:今日の手後れは、明日へ付いて回る。 仕事を見て、その人を知る。 解釈:口では何とでも言えるが、やった仕事は嘘をつかない。人物判断は仕 事を見れば分かる。 鹿(しし。また猪)食った報い。 解釈:悪い事をしたことの当然の報い。禁じられていることを楽しんだ後の 苦しい報い。伊勢の神宮では、鹿と猪を神の使いとしていた。これを食べた者 は、神罰を受けるとされていた。 類義:鹿食った罰。 獅子、身中(しんちゅう)の虫。 解釈:内部、身内から災いが起こること。味方と思っていた者の裏切り。獅 子の体内に寄生していた虫が、遂には獅子を死なせてしまうこと。また仏徒 (ぶっと)でありながら仏法を悪く言うこと。 事実は小説よりも奇なり。 解釈:現実にこの世で起こることは、架空の小説よりも不思議で変化の多い ことがある。イギリスの詩人バイロンの言葉。 参考:Truth is stranger than fiction.の訳語。 死しての千年より、生きての一日。 解釈:死んでからの千年より、生きている間の一日が有り難いし、大切であ る。 類義:明日の百より今日の五十。死んで花実が咲くものか。 死して後(のち)已む(やむ)。 類義:斃(たお)れて後已む。 死屍(しし)に鞭(むち)打つ。 解釈:死んだ後までも悪口を言ったり、非難を浴びせる。中国、楚(そ)の 伍子胥(ごししょ)が、自分の父や兄を殺した平王(へいおう)が死んだとき、 恨みを晴らすために、墓を暴(あば)いて三百回も鞭打った故事による。 獅子の子落とし。 解釈:自分の子供は可愛いけれども、苦労苦難をさせて、逞しく育てよの意 味。獅子は生んだ子を深い谷底に突き落として、岩にしがみ付いて這い上がっ たものだけを育てるという。 類義:可愛い子には旅をさせよ。獅子の子育て。 死児(しじ)の齢(よわい)を数う(かぞう)。 類義:死んだ子の年を数える。 |