苦杯を嘗める。
解釈:辛い経験をすること。「苦杯」は苦い液を入れた杯のこと。
類義:苦汁(くじゅう)を嘗める。
九は病、五七は雨に四つ(よつ)旱(ひでり)、六八ならば風と知るべし。
解釈:地震の起こった時刻によって、それが何の前兆かを占う。九は十二時、
五は八時、七は四時、四は十時、六は六時、八は二時。
類義:五七の雨に四つ旱、六つ八つ風に九の病。
苦は楽の種。
解釈:現在の苦労が、将来の幸福の元になるという意。「楽は苦の種」と続
く。
類義:苦をせねば、楽はならず。
参考:After a storm comes a calm.(嵐の後に静けさが来る)。No gains
without pains.(苦しみなくして、利益なし)
首が回らぬ。
解釈:借金の返済に苦しめられて、身動きのとれない状態。
首吊りの足を引く。
解釈:滅びかけている者に対して、更にそれを早めるようなことをするたと
え。
首振り三年、ころ八年。
解釈:簡単なように見える事も、その道に入れば、大変な修業が必要である
という意。「ころ」は尺八を吹く高度の技術。
九分(くぶ)は足らず、十分(じゅうぶ)は溢(あふ)る。
解釈:何事も過不足ない状態、適当なのがよい。
窪い所に水溜まる。
解釈:水が窪んだ所に集まるように、自然に物事の結果が生ずること。また、
地位が低く苦しい境遇にある者には、様々な苦難がついて回ること。普段評判
のよくない者は、事あるごとに疑われるということ。
類義:窪い所に芥(あくた)。低い所に水溜まる。
雲となり、雨となる。
解釈:男女の仲が深く、睦まじいこと。また、人情が薄く、移ろいやすい事
にもいう。
類義:朝(あした)の雲、夕(ゆうべ)の雨。手を翻せば雲となり、手を覆
(くつがえ)せば雨となる。
雲にかけ橋。
解釈:昔の恋文の常套句(じょうとうく)。望んでも到底及び難いことのた
とえ。
類義:雲にかけ橋、霞に千鳥。
雲に汁。
解釈:日照り続きの雨雲。事の成り行きが段々面白くなってきそうな場合や、
物事がうまく進行しそうな場合のたとえ。
蜘蛛(くも)の子を散らすよう。
解釈:大勢の者がばらばらに逃げて行く様の形容。
類義:風に蜘蛛の子を散らす如し。
蜘蛛の巣で石を吊る。
解釈:到底できそうにないことや、非常に危険なことのたとえ。
類義:一髪千鈞(せんきん)を引く。
蜘蛛は大風が吹く前に巣を畳む。
解釈:動物には天候の変化を予知する能力があり、未然に災いを防ぐのをい
う。
類義:熊、深山(しんざん)を出(いず)れば、大雪降る。
雲を掴む。
解釈:物事があまりに漠然としているために、捉えどころがないこと。
用例:まるで雲を掴むような話だ。
雲を掴んで、鼻をかむ。
解釈:とてもできそうもないような無理な事のたとえ。
類義:耳を削って、鼻をかむ。
供養(くよう)より施行(せぎょう)。
解釈:死者の霊を慰めるより、現在生きている者に施する方が、もっと必要
であるということ。信心の深いあまりに、現実を忘れる事がないようにという
こと。
鞍掛け馬の稽古。
解釈:鞍掛け馬(木馬)に乗って練習をし、本物の馬に乗って練習をしない
事。理屈や方法に精通しているだけでは、実際には役に立たないたとえ。
類義:畳の上の水練。木馬の達人。
暗がりから牛。
解釈:物の区別がはっきりしないたとえ。また動作が鈍くて、はきはきしな
いときにも用いる。
類義:暗闇(くらやみ)から牛を引き出す。暗闇の牛。
暗がりから暗がり。
解釈:いろいろと思い迷って、考えがつかないことのたとえ。
類義:暗闇から暗闇へ入るよう。
暗がりに鬼繋ぐ。
解釈:何が出てくるのか見当がつかず、気味の悪いことのたとえ。
類義:鬼が出るか、蛇(じゃ)が出るか。鬼が出るか、仏が出るか。
暗がりの犬の糞(ふん)。
解釈:誰も知らないのをこれ幸いにして、自分の失敗を隠すこと。
暗がりの渋面(じゅうめん)。
解釈:暗い所でしかめっ面をしても、見えないから、相手は何も感じない。
転じてやっても反応がないことのたとえ。
類義:暗がりに膝を立てる。
暗がりの恥を明るみへ出す。
解釈:そっとしておけば知れずに済むような恥を、わざわざ世間に知らせる
こと。
類義:暗闇(くらやみ)の恥を明るみへ出す。日陰の恥を日向(ひなた)へ
出す。
苦楽は生涯の道連れ。
解釈:人間の一生は苦と楽との繰り返しであること。
暗闇(くらやみ)の鉄砲。
解釈:向こう見ず、あてずっぽうに物事を行うたとえ。
類義:暗がりの鉄砲。闇に鉄砲。暗闇の礫(つぶて)。暗闇の鉄砲。
暗闇の独り舞。
解釈:誰も見ていない所で、思うさまやってみることのたとえ。
類義:野中の独り謡。
暗闇の頬冠り。
解釈:不必要な用心をするたとえ。
類義:暗がりの頬冠り。
暗闇(くらやみ)より無闇(むやみ)が怖い。
解釈:無鉄砲な事をする者は、どんな事をするのか見当もつかないから怖い
ものである。
苦しい時には親を出せ。
解釈:口実や言い訳に困ったときに、親の病気などを持ち出すことをいう。
類義:敵(かな)わぬ時には親を出せ。切ない時に親を出す。
苦しい時の神頼み。
解釈:何時もは神を拝まない者が、苦しいとき、困ったときだけ神仏に祈っ
て助けを求めようとすること。
類義:今はの念仏、誰も唱える。悲しい時の神祈り。叶わぬ時の神頼み。術
(すべ)なき時の神頼み。人窮すれば天を呼ぶ。
苦しい時は、鼻をも削(そ)ぐ。
類義:時の用には、鼻をも削(そ)ぐ。
車の両輪。
解釈:二つのうちの片方でも欠けると用をなさないような密接な関係のたと
え。
類義:唇歯輔車(しんしほしゃ)。鳥の両翼。
車は海へ、舟は山へ。
解釈:物事があべこべになっているたとえ。逆さまなこと。
紅(くれない)は園生(そのう)に植えても隠れなし。
解釈:どこにいても才能のある人は目立つものだという意。
類義:桜は花に現る。麝(じゃ)あれば香(かぐわ)し。
暮れぬ先の提灯(ちょうちん)。
解釈:日が暮れない前から提灯に火を灯すように、先回りをし過ぎてかえっ
て間が抜けていることのたとえ。
類義:小舟の宵ごしらえ。
黒犬に噛まれて、赤犬に怖(お)じる。
解釈:一度酷(ひど)い目に遭うと、似ている物は全て恐れるようになる。
類義:羹(あつもの)に懲りて、膾(なます)を吹く。黒犬に噛まれてたる
者は、灰汁粕(あくかす)に恐る。舟に懲りて、輿(こし)を忌む。蛇に噛ま
れて、朽縄(くちなわ)に怖じる。
食わず嫌い。
解釈:食べもしないで嫌だと決めつけてしまうこと。物事を試みようともせ
ず、駄目だと決めてしまうこと。
類義:味見ず嫌い。雁も鳩も食わねば知れぬ。
食わせておいて、扨(さて)と言い。
解釈:ご馳走をしておいて、いやでも断れないようにしておいた後で、実は
頼みたい事がある、と切り出すこと。
類義:旨い物食わす人に油断すな。
食わぬ飯(いい)が髭に付く。
解釈:身に覚えがないのに、罪を犯したと疑われること。
鍬をかたげた乞食は来ない。
解釈:「かたげた」とは、担いだの意。真面目に働けば貧乏はしないものだ
ということ。
類義:稼ぐに追い付く貧乏なし。
反義:稼ぐに追い付く貧乏神。稼ぐに追い抜く貧乏神。
句を作るより田を作れ。
類義:詩を作るより田を作れ。
君子、危うきに近寄らず。
解釈:徳があり、教養のある立派な人は、自分の身を慎み、危険を避ける。
類義:命を知る者は、巌牆(がんしょう)の下(もと)に立たず。君子は危
うきに居らず。賢人は危きを見ず。聖人は危きに寄らず。
反義:虎穴(こけつ)に入らずんば虎子(こじ)を得ず。
君子、二言(にげん)なし。
解釈:君子は軽々しく口に出さない。また、一度言った事は軽々しく変えな
いものである。
類義:武士に二言(にごん)なし。
反義:一口(いっこう)両舌。二枚舌を使う。
君子に三戒(さんかい)有り。(論語)
解釈:君子たる者は、若いときには色欲を戒め、壮年時代には人と争うこと
を戒め、年取ってからは欲深くならないように気をつけなければならない。
君子に三楽(さんらく)有り。
解釈:君子には楽しみが三つある。父母兄弟が健在なこと、天に恥じるよう
な後ろ暗いところがないこと、天下の英才を教育することの三つである。
君子の交(こう)は、淡き水の如し。
解釈:君子の交際は淡白で、しかもその友情は長く続くというたとえ。
君子は憂えず懼(おそ)れず。(論語)
解釈:君子たる者は、何時も正しい道徳を実践して、何らやましいところが
ないから、心配したり恐れたりすることがない。
類義:君子は終身の憂い有りて、一朝の患い無し。
君子は義に喩(さと)り、小人(しょうじん)は利に喩る。(論語)
解釈:君子は全ての物事を、正しい道に合うかどうかと考えるが、徳のない
者は利益があるかどうかだけを考えるものであるという意。
君子は言(げん)に訥(とつ)にして、行いに敏(びん)ならんと欲す
(ほっ)す。(論語)
解釈:君子は話は下手でも、行動は機敏でありたいと思うという意。
君子はこれを己に求め、小人(しょうじん)はこれを人に求む。(論語)
解釈:徳のある人は、過ちがあると、まず自分を省みるが、徳のない人は、
その原因を人のせいにしようとするという意。
君子は独りを慎む。
解釈:徳のある人は、人の見ていない所にいても、常に自分の行いを慎むも
のであるという意。
類義:君子は屋漏(おくろう)に恥じず。独りを慎む。
君子は豹変(ひょうへん)す。
解釈:君子は悪いと知れば、直ぐに過ちを改めるということ。「豹変」は豹
の斑紋(はんもん)が鮮やかなように、性行ががらりと変わること。
類義:大人(たいじん)は虎変(こへん)す。
参考:A wise man changes his mind, a fool never will.(知者は時に心を
変えるが、愚者は決して変えない)
君子は交(まじわり)絶(た)ゆとも、悪声(あくせい)を出(いだ)
さず。
解釈:人徳のある人は、交際が絶えて行き来がなくなっても、決して相手の
悪口、欠点を言い触らさないという意。
類義:交絶ゆるも悪声を出さず。
君子は和して同ぜず、小人は同して和せず。(論語)
解釈:徳のある人は人とは交わり和を貴ぶが、道に外れる事まで同調するこ
とはない。徳のない人の交わりは、同調はするのに和がなく、心から打ち解け
ることがない。
葷酒(くんしゅ)、山門に入(い)るを許さず。
解釈:「葷」は臭い野菜でネギ、ニンニク、ニラなどを指し、酒と共に不浄
で、浄念を乱すとされる。葷酒は修行を乱すから、寺の境内に持ち込んではな
らない。禅寺などで、寺門の脇の戒壇石に刻んである文句。
九日餅(くんちもち)は搗くものではない。
解釈:十二月二十九日には、餅を搗くものではないという俗信。九は苦と音
が同じなため、嫌われる数である。
君命(くんめい)は黙(もだ)し難し。
解釈:主君の命令はそのままにしておく訳にはいかず、命令どおりにやらな
ければならないということ。
群盲(ぐんもう)、象を撫づ。
解釈:大勢の盲人が大きな象の体の一部分に触って、様々なことを言う。凡
人には大人物や大事業の一部しか触れることができないで、全体を見通すこと
はできないことのたとえ。
類義:群盲、象を評す。衆盲、象を摸す。
参考:盲人摸象
「盲人摸象」とは、「盲人が象を触る」と云うことである。数人の盲人が一
堂に会して、一体「象」とはどんなモノなのか知ろうとした。まず一人目の盲
人は象牙を触って、「象とは、大根のようなものじゃ!」と言った。二人目は
耳を触って、「象とは、大きなウチワみたいだね!」と言った。三人目は足を
触って、「象とは、太い柱だよ!」と言った。四人目は胴体を触って、「どう
やら象は、壁みたいですよ。」と言った。五人目は尻尾を触って、「い〜や、
象はまるで蛇そっくりだよ!」と言った。彼等は延々と議論を続け、皆自分の
主張が正しいと譲らなかったのである。
「盲人摸象」は、物事の一側面しか観察せず、全体像や本質を理解しない人
を比喩するときに用いる。
類義:数珠玉の穴から経文を読み取る。
類義:岩窟牢の天窓から陽炎を探し当てる。
類義:戦車の筒穴から闇夜の徴(しるし)を見つける。
軍門に降る。
解釈:戦争に負けて降参すること。競争に負けて相手に屈従すること。
群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)。
解釈:大勢の英雄たちが各地に立てこもり、対立して互いに勢力を競い合う
こと。
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