02 霊とは

                    「霊」と云う言葉を意識するようになるの
                   は、自分の能力、つまり思考力とか体力的と
                   かに限界を感じて、他の人なり自然現象なり
                   の力量に畏敬の想いを抱くようになったとき、
                   であるように思う。
                    霊とは、自分の能力の仕組みの延長線上に、
                   自分の能力とは異次元の「力量」を備えた何
                   者かが存在しているのではないか、と体感す
                   ることではないだろうか。
                    つまり、自分の思考力の限度において、「
                   何者」かが存在し、それがもしかしたら自分
                   の至らない能力を補ってくれたり、自分に何
                   らかの影響を及ぼしてくれるのではないか、
                   との期待感を持ち、その「何者」かがそれを
                   実現可能にしてくれる。そして、それが「霊
                   」であると思い込むこと、そしてその「霊」
                   がそこに既に存在しているのだと感じ取って
                   しまうこと、その「霊」によって自分の心身
                   が変革されてしまう。このことは即ち「机上
                   の霊」が発展成就して、自分自らが体得した
                   「実在の霊」として出現したのである、と考
                   えることができる。
                    しかしこのことは、自分は今現在実感とし
                   ての認識は未だ至っていない。
 
                    霊に関して、共通的な認識を持っていただ
                   くために、以下について記述してみたい。
                    本稿は、岩波書店発行「広辞苑」の中から
                   その一部を引用するなどして、細部に亘って
                   いろいろと参考にさせていただきました。 
                                    SYSOP
 
〈霊とは〉
 
△霊・靈とは
〔音〕レイ・リョウ 〔訓〕たま・たましい
〔意味〕
 @たま・魂タマシイ/万物の精気。「神霊・山霊・精霊」
  人の肉体に宿り肉体を支配する精神。死者の魂。「霊魂・霊界・霊前・幽霊・精霊
  ショウリョウ・全身全霊」
 A人知を超えた不可思議な働き。神聖。「霊妙・霊験レイゲン・霊薬・霊峰・霊長」
 
△「霊」の読み方
 @たま【魂・魄・霊】 魂のこと。
 Aち【霊】 (複合語として用いる) 自然物の威力・霊力を表す語。「いかずち(雷)
  」「おろち(蛇)」など。
 Bひ【霊】 霊力。神霊。祝詞、大殿祭「御床ミユカつ霊ヒのさやき」
 Cみ【神・霊】 神霊。神代紀上「山の神等カミタチを山祇ヤマツミと号モウす」
 Dりょう【霊】(呉音) 魂。特に、祟りをするもの。源氏物語柏木「女の霊リョウとのみ
  占ひ申しければ」。「生霊イキリョウ・死霊・怨霊」
  →れい(霊)
 Eれい【霊】 1.肉体に宿り、又は肉体を離れて存在すると考えられる精神的実体。
  魂。たま。「霊魂・霊肉・幽霊・霊前」(対義語:肉)
  2.計り知ることのできない力のあること。目に見えない不思議な力のあること。ま
  た、その本体。「山霊・霊妙・霊験・霊薬」
  3.尊いこと。恩恵。「霊宝・霊雨」
  →りょう(霊)
 Fろう【霊】(リョウの直音化)  1.魂。死霊。源氏物語葵「故父おとどの御霊ロウ」
  2.生霊イキリョウ。源氏物語柏木「陰陽師なども多くは女の霊ロウとのみうらなひ申しけれ
  ば」
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