02 歴代天皇
 
  2 綏靖スイゼイ天皇
 
 神武天皇の第三皇子。名は神渟名川耳カムヌナカワミミ。
 皇紀80 BC 580
 
〔神皇正統記〕 第二代、綏靖天皇(これより和語ワゴの尊号をばのせず)は神武第二ノ
御子。御母備(韋偏の備)タタラ五十鈴姫、事代主コトシロヌシの神の女也。父の天皇かくれまし
て、三とせありて即位し給。庚辰カノエタツノ年也。大和葛城カヅラキノ高岡の宮にまします。
 
 三十一年庚戌カノエイヌの年もろこしの周の二十三代ノ君、霊王レイワウの二十一年也。ことし
孔子誕生す。自是コレヨリ七十三年までおはしけり。儒教をひろめらる。此道は昔の賢王、
唐尭タウゲウ・虞舜グシュン・夏カの初の禹ウ・殷インのはじめの湯トウ・周シウのはじめの文王ブンワウ・武
王ブワウ・周公シウコウの国を治め、民をなで給し道なれば、心を正しくし、身をなをくし、家
を治め、国を治めて、天下にをよぼすを宗ムネとす。さればことなる道にはあらねども、
末代となりて、人不正になりしゆへに、其道をおさめて儒教をたてらるゝなり。
 天皇天下を治給こと三十三年。八十四歳をましましき。
 
  3 安寧アンネイ天皇
 
 綏靖スイゼイ天皇の第一皇子。名は磯城津彦玉手看シキツヒコタマデミ。
 皇紀 113 BC 547
 
〔神皇正統記〕 第三代、安寧天皇は綏靖第二の子。御母五十鈴依姫、事代主の神のを
と女也。癸丑ミヅノトウシの年即位。大和の片塩カタシホノ浮穴ウクアナの宮にまします。
 天下を治給こと三十八年。五十七歳をましましき。
 
  4 懿徳イトク天皇
 
 安寧天皇の第二皇子。名は大日本彦耜友オオヤマトヒコスキトモ。
 皇紀 151 BC 509
 
〔神皇正統記〕 第四代、懿徳天皇は安寧第二の子。御母渟名底中媛ヌナソコナカツヒメ、事代主
の神の孫也。辛卯カノトウ年即位。大和の軽曲峡カリノマガリヲの宮にまします。
 天下を治給こと三十四年。七十七歳をはしましき。
 
  5 孝昭コウショウ天皇
 
 懿徳イトク天皇の第一皇子。名は観松彦香殖稲ミマツヒコカエシネ。
 皇紀 186 BC 474
 
〔神皇正統記〕 第五代、孝昭天皇は懿徳第一の子。御母天豊津姫アマノトヨツヒメ、息石耳
オキシミミの命の女也。父の天皇かくれまして一年ヒトトセありて、丙寅ヒノエトラの年即位。大和の
掖ワキの上池カミノイケの心ココロの宮にまします。
 天下を治給こと八十三年。百十四歳をはしましき。
 
  6 孝安コウアン天皇
 
 孝昭天皇の第二皇子。名は日本足彦国押人ヤマトタラシヒコクニオシヒト。
 皇紀 269 BC 391
 
〔神皇正統記〕 第六代、孝安天皇は孝昭第二の子。御母世襲足ヨソタラシの姫、尾張の連
ムラジの上祖トホツオヤ瀛津世襲オキツヨソの女也。乙丑キノトウシの年即位。大倭ヤマトノ秋津島アキヅシマの宮
にまします。
 天下を治給こと一百二年。百二十歳をましましき。
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