神様の戸籍調べ 五十八 波邇夜須毘古神ハニヤスビコノカミ 伊邪那美大神が、火の神を御生みになって、大火傷を蒙られ、御病気になり、その時 出られた御屎の中から出来た神である。後年、神武天皇御治世の後、一夜の夢に、天神 の御垂訓ゴスイクンあり、「天香山アメノカグヤマの社中の土をとって、八十枚の皿や茶碗を作り、 天地の神々を祭るならば、天下の夷エビシ悉く平定せん」とあったので、天皇その御神訓 の通りになされた。丁度その頃、天皇に反抗したものが兵をあげ、天香山に陣を張って ゐたので、椎津彦シヒツヒコ、弟猾オトイルカの二人を以て、老父ロウフ老嫗ロウクに擬し、敵軍中を潜 かに進み、天香山の土をとり来らしめ、それで八十枚の皿、茶碗を作って、天皇自ら盛 大なる祭祀をなされたので、賊徒平定したと云ふ。この天香山の近所の大和国十市郡に 建土安タケハニヤス神社と云ふがあり、是は、この埴土彦神ハニヒコノカミを祭ったもので、上古ジャウ コの土器の如何に大切であったか、そして、是を利用して、天皇が御勝利なされたのは、 即ちこの神の御威徳であるとの説もある。[次へ進む] [バック]