神名解説
〈四 伊邪那美命イザナミノミコトの死に関わる神〉
いざなみのみことは、燃え盛る火の神を生んだときの火傷が原モトで、遂に亡くなって
しまった。
泣澤女神ナキサワメノカミ(N啼沢女命ナキサハメノミコト)
なきさわめのかみ(女神)
いざなぎのみことの目から溢れ出た涙の中から生まれた神と云う。
いざなきのみことが御子火之迦具土神カグツチノカミを殺したとき、その剣に付いた血から、
次の神々が生まれた。
石拆神イハサクノカミ(N磐裂神イハサクノカミ)
いわさくのかみ
岩石をも裂くほどの威力を持った神と云う。
根拆神ネサクノカミ(N根裂神ネサクノカミ)
ねさくのかみ
岩根をも裂くほどの威力を持った神と云う。
石筒之男神イハツツノヲノカミ(N磐筒男神イハツツヲノカミ)
いわづつのおのかみ
同じような威力を持った神と云い、この三柱の神は、剣を鍛えるときの岩石の鎚のこ
とを意味しており、何れも雷神の威力を現している。
甕速日神ミカハヤビノカミ(N甕速日神ミカハヤヒノカミ)
みかはやひのかみ
樋速日神ヒハヤビノカミ(N速日神ヒハヤヒノカミ)
ひはやひのかみ
建御雷之男神タケミカヅチノヲノカミ(建布都神タケフツノカミ・豊布都神トヨフツノカミ)(N武甕槌神タケミカヅチノカ
ミ)
たけみかづちのかみ(タケミカヅチノヲノカミ)
この三柱の神も、雷神の威力を現しており、剣を鍛えるときの盛んな火の働きから、
よく切れる立派な剣が作られたことを意味している。
闇淤加美神クラオカミノカミ(N闇於加美クラオカミ)
くらおかみのかみ
闇御津羽神クラミツハノカミ(N闇罔象クラミヅハ)
くらみつはのかみ
それぞれに、谷間の水や雨雪などを宰ツカサドる神と云い、雷神と同じ威力を持つ、剣を
掌ツカサドる神でもあると云う。
同じく、殺された火之迦具土神の屍から、次の神々が生まれた。
正鹿山津見神マサカヤマツミノカミ
まさかやまつみのかみ
険ケワしい山野頂きを誉め称えたものである。
淤縢山津見神オドヤマツミノカミ
おどやまつみのかみ
なだらかな山の麓フモトを誉め称えたものである。
奥山津見神オクヤマツミノカミ
おくやまつみのかみ
深い山のことを誉め称えたものである。
闇山津見神クラヤマツミノカミ(N闇山祇クラヤマツミ)
くらやまつみのかみ
深くて暗い谷間のことを誉め称えたものである。
志芸山津見神シギヤマツミノカミ
しぎやまつみのかみ
鬱蒼ウッソウと生い茂った木を誉め称えたものである。
羽山津見神ハヤマツミノカミ
はやまつみのかみ
麓フモトの山を誉め称えたものである。
原山津見神ハラヤマツミノカミ
はらやまつみのかみ
高原を称えたものである。
戸山津見神トヤマツミノカミ
とやまつみのかみ
端ハシの方にある山々を誉め称えたものである。
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