[神職奉務心得]
 
八、萩藩 社家法度ハット条々
 
                 参考:神社本庁発行「神職奉務心得(資料集)」
 
               万治三年(1660)、萩藩主毛利綱広が藩政の基本法と
              して制定した『万治法制』のうち、社家法度の部分。
               法度は神職の使命を「天下国家の祈祷」の遂行にある
              とし、その非礼非法には厳罰をもって臨む姿勢を明らか
              にしてゐる。(『山口県史料 近世編 法制上』所収)
 
一、天下の御制はよろしく相守るべきこと。
 付、国法に違犯すべからざること
一、天下国家の祈祷を怠るべからざること
一、神威を敬ひ、神託を仰ぎ、正直を宗とし非礼非法を行ふべからざること
一、祭祀礼典は古例のごとくし、怠慢あるべからざること
 付、社頭の補修掃除等を怠るべからざること
一、その家々の神道秘術の法は懈怠ケタイなく勤め学ぶべし、あへてみだりに漏らすべから
 ざること
一、神職の者の官位はほしいままに昇進いたすべからず、自今以後訟奉行所の免許を蒙
 り昇進すべきこと
一、神の掟に背き名聞利用を専にし非儀無道の訴のあるにおいては、軽重をただし死罪
 ・流刑・篭舎・過料の厳法に処すべきこと
一、宛エン行ふところの社頭は正路セイロの沙汰あるべし、配分配当の儀は私あるべからざる
 こと
一、古跡の森林はみだりに採りもちふべからざること
一、新儀を企つるは例にあらず、みだりに神社を建立するは停止せしめ畢りぬ。道理至
 極によりて申出づるにおいては、僉議センギの上免許すべきこと
一、つねに清浄の誠をぬきんで神の道をとり行ふべし、あへて謀計術数の方をもって諸
 民を誑タブラカすなかれ、この旨堅く制禁せしむこと
 
 右、今度社家法度に申し出すの旨は堅く相守るべきものなり。けだし神道は、あるひ
は心の穢を禁じあるひは正直を守る、これ誠を人にしめすに歴然たるの法なり。しかる
に当時の神職は、その行儀甚だほしいままにして、家法を忘れ非儀不道の争論訴訟をな
し傍若無人の至りなり。あまつさへ俗法に従ひ禁戒を乱ることいはれなき儀なり。いや
しくも末世の風俗言語は道断の至りなり。もっとも禁ぜざるべからず。自今以後は社家
の作法なきにおいては、その罪科かへって俗人より重くすべく、かくのごとく法を定む
るところなり。(以下略)
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