52 拝礼の仕方
 
 「神拝作法」とは神祇に拝礼する作法のことで、平たくは「拝礼の仕方」です。 
 拝礼するに当たっての一連の流れは、身心を清める「手水」、神前に「玉串奉献」、
二拝二拍手一拝の作法による「拝礼」の順に行われます。この拝礼の仕方は、神社にお
ける恒例の祭典のほか、いわゆる神楽を奉納してする正式参拝、地鎮祭などの臨時祭等
々のときに行われます。
 一方、毎度の神棚やお近くの産土神社(氏神様)、又は旅行の序でに滞在先の神社に
拝礼するときなどは、「玉串奉献」を省略して拝礼するのが一般的です。
 
一、手水
 手水とは、清水で両手を洗い口を漱いで身心を清めることです。
 即ち、
 @右手で柄杓を取って水を汲み上げ、左手を洗い流します。
 A次に左手に柄杓を持ちかえ、水を汲み上げて右手を洗い流します。
 C再び右手に柄杓を持ちかえ、左の掌に水を受けてその水で口を漱ぎます。
 D最後に左手や柄杓全体を洗い流します。
 E終わって懐紙などで口元や両手を拭います。
 
 なお、必要により祭員(巫女又は神職など)が、水の汲み上げや拭い紙の差し出しを
お手伝いすることがあります。
 注:大麻(祓串)や塩湯による「修祓(お祓い)」は、手水の後(又は前)に行われ
ます。
 
二、玉串を奉りて拝礼(玉串拝礼)の仕方
 玉串とはサカキの枝(寒い地方ではヒサカキ又はヒバの枝を代用)に、紙垂シデを取り
付けたものです。これはこの世が常磐木の如く永遠に栄え続くこと、また紙垂は神前に
お供えする品々(衣服など)を意味します。
 即ち、祭員の前に進んで正座(立礼のときは直立。以下同じ。)し、
 @右手で玉串の元の方を上から、左手で中程を下から支えて受け取り、胸高に持ちま
  す。
 A神前に進み出て正座し、玉串を右回りに廻して元の方を手前に、先の方をやや高め
  にして神前に向けます。
 B両手で元の方を持って、祈念をこめます。
 C次に玉串を右回り廻しての元を神前に向け、机(玉串案のこと)の上に供えます。
 
 次に拝礼します。
 即ち、
 @拝(深いお辞儀)を二回します。
 A次に両手を胸高に合わせて祈念をこめ、二回拍手します。
 B最後に拝を一回します。
 
〈備考〉
(1) 神社神道における拝礼の基準作法は、この「二拝二拍手一拝の作法」です。全国の
神社において行われます。
 ただし、伊勢の神宮は八度拝、また出雲大社等それぞれ古い作法を伝えるところもあ
ります。
(2) 必要により、玉串奉献を行わず、神拝詞等を奏上することもあります。
 即ち、
 @神前に進み出て正座し、拝を二回します。
 A神拝詞、奉告詞、祈願詞などを懐中から取り出して読み上げます。
 B神拝詞等を懐中に納めてから、「二拝二拍手一拝」をします。
(3) なお、自分の座を立つとき、自分の座に戻ったとき、また神前に相対して正座した
とき、神前を退くときなど、そのときに軽くお辞儀をしますと丁寧な作法となります。
 
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