02 神拝詞集 第一輯シュウ
 
            神拝詞集 第一輯シュウ
 
              参考:神社本庁発行「神拝詞集」(昭和47年5月25日)
 
 一字一句をかみしめて心からお唱へ致しませう
 
一 祓詞
 
掛カけまくも畏カシコき 伊邪那岐イザナギノ大神 筑紫ツクシの日向ヒムカの橘タチバナの小戸ヲドの阿
波岐アハギ原に 御禊ミソギ祓ハラへ給タマひし時に生ナり坐マせる祓戸ハラヘドの大神等オホカミタチ 諸
々モロモの枉事マガゴト 罪穢ツミケガレ有アらむをば 祓へ給ひ 清め給へと白マヲす事を聞キこし
食メせと 恐カシコみ恐カシコみも白マヲす
 
二 禊祓詞
 
高天原タカマノハラに神カム留ヅまり坐マす 神魯岐カムロギ神魯美カムロミの命ミコト以ちて 皇御祖スメミ
オヤ神カム伊邪那岐イザナギノ命ミコト 筑紫ツクシの日向ヒムカの橘タチバナの小戸ヲドの阿波岐原アハギハラ
に 御禊ミソギ祓ひ給ふ時に 生アれ坐マせる祓戸ハラヘドの大神等オホカミタチ 諸々モロモの枉事マガ
ゴト罪穢ツミケガレを祓ひ賜へ 清め賜へと申す事の由ヨシを 天津神アマツカミ国津神クニツカミ八百万
ヤホヨロヅの神等共に 天アメの斑駒フチコマの耳振り立てて 聞キこし食メせと 恐カシコみ恐カシコみ
も白マヲす
 
三 大祓詞
 
高天原タカマノハラに神カム留ヅまり坐マす 皇親スメラガムツ神漏岐カムロギ神漏美カムロミの命ミコト以ちて 
八百万ヤホヨロヅの神等カミタチを 神カム集ツドへに集へ賜タマひ 神カム議ハカりに議り賜ひて 我ア
が皇御孫命スメミマノミコトは 豊芦原トヨアシハラノ水穂国ミズホノクニを 安国ヤスクニと平タヒラけく知シろし
食メせと 事コト依ヨさし奉マツりき 此カく依さし奉りし国中クヌチに 荒振アラブる神等カミタチを
ば 神カム問トはしに問はし賜ひ 神掃ハラひに掃ひ賜ひて 語コト問ひし磐根イハネ 樹根キネ立
ち 草の片葉カキハをも語コト止ヤめて 天アメの磐座イハクラ放ハナち 天の八重雲ヤヘグモを 伊頭イツ
の千別チワきに千別きて 天アマ降クダし依ヨさし奉りき 此く依さし奉りし四方ヨモの国中クニ
ナカと大倭オホヤマト日高見国ヒダカミノクニを 安国ヤスクニと定め奉りて 下シタつ磐根イハネに宮柱ミヤバシ
ラ太敷フトシき立て 高天原に千木チギ高知タカシりて 皇御孫命スメミマノミコトの瑞ミヅの御殿ミアラカ仕
ツカへ奉マツりて 天アメの御蔭ミカゲ 日ヒの御蔭と隠カクり坐マして 安国と平タヒラけく知シろし
食メさむ国中クヌチに 成ナり出イでむ天の益人等マスヒトラが 過アヤマち犯ヲカしけむ種種クサグサの罪
事ツミゴトは 天アマつ罪 国つ罪 許許太久ココダクの罪出でむ 此く出でば 天つ宮事ミヤゴト
以ちて 天つ金木カナギを本モト打ち切り 末(すゑ)打ち断タちて 千座チクラの置座オキクラに
置き足タらはして 天つ菅麻スガソを本モト刈り断ち 末刈り切りて 八針ヤハリに取り辟サきて
天つ祝詞ノリトの太祝詞事フトノリトゴトを宣ノれ
此く宣らば 天アマつ神カミは天アメの磐門イハトを押し披ヒラきて 天の八重雲ヤヘグモを伊頭イツの
千別チワきに千別きて 聞キこし食メさむ 国つ神は高山タカヤマの末 短山ヒキヤマの末に上ノボり
坐マして 高山の伊褒理イホリ 短山の伊褒理を掻カき分ワけて聞こし食さむ 此く聞こし食
してば 罪と云ふ罪は在アらじと 科戸シナドの風カゼの天の八重雲を吹き放ハナつ事の如く 
朝アシタの御霧ミギリ 夕ユフベの御霧を 朝風アサカゼ 夕風ユフカゼの吹き払ハラふ事の如く 大津
辺オホツベに居ヲる大船オホフネを 舳ヘ解トき放ち 艫トモ解き放ちて 大海原オホウナバラに押し放つ
事の如く 彼方ヲチカタの繁木シゲキが本モトを 焼鎌ヤキガマの敏鎌トガマ以ちて 打ち掃ふ事の如
く 遺ノコる罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を 高山の末 短山の末より 佐久那太
理サクナダリに落ちたぎつ 速川ハヤカハの瀬セに坐マす 瀬織津比売セオリツヒメと云ふ神 大海原に
持ち出でなむ 此く持ち出で往イなば 荒潮アラシホの潮シホの八百道ヤホヂの八潮道ヤシホヂの潮
の八百会ヤホアヒに坐す速開都比売ハヤアキツヒメと云ふ神 持ち加加カカ呑みてむ 此く加加呑みて
ば 気吹戸イブキドに坐す気吹戸主イブキドヌシと云ふ神 根国ネノクニ 底国ソコノクニに気吹き放ち
てむ 此く気吹き放ちてば 根国 底国に坐す速佐須良比売ハヤサスラヒメと云ふ神 持ち佐須
良ひ失ウシナひてむ 此く佐須良ひ失ひてば 罪と云ふ罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事
を 天つ神 国つ祇カミ 八百萬神等ヤホヨロヅノカミタチ共に 聞こし食せと白マヲす
 
四 最要祓
 
高天原に神留り坐す 皇親スメムツ神漏岐神漏美の命以ちて 天津アマツ祝詞の大祝詞の事を宣
れ 此く宣らば罪と云ふ罪 咎トガと云ふ咎は在らじと物をと 祓ひ賜ひ清め賜ふと申す
事の由を 八百万の神等諸共に 左男鹿サヲシカの八ヤツの耳を振り立てて 聞こしめせと白
マヲす
 
五 吉備津祓
 
天照る神の教への祓 一度び祓へば 百日の災難を除き 百モモ度び祓へば千日の咎を捨
つる 千代チヨ万代ヨロヅヨ 年を経ても 天アメの神の恵みはつきじ 生き生き 代々に尊き
は 天地アメツチの恩 仰ぎても猶ほ餘りあるは 神の徳に越ゆることなし
 
六 神通自在心源清浄祓
 
高天原に神留まり坐す 皇親神漏岐神漏美の命以ちて 魂魄タマシヒの日月の光を和ヤハらげ
賜ふが如く 身心は天地の元気ハジメに通はしめ賜ふが如く 身は安く 言コトは美ウルはし
く 意ココロは和らぎて 諸々の悪業アシキコトワザ煩悩ワヅラヒナヤミ邪念ヨコシマ猛慮タケキオモヒをば 日向
の小戸の檍アハギハラの下瀬シモツセの 弱く和柔ヤハラぎたる潮ウシホの如く 罪と云ふ罪 咎と云
ふ咎は在らじと 祓ひ賜ひ清め賜ふ事の由を 左男鹿サヲシカの八つの耳を振り立てて 聞
こし食メせと白マヲす
 
七 ひふみ祓
 
一イ(ひと)二フ(ふた)三ミ(み)四ヨ(よ)五イ(いつ)六ム(むゆ)七ナ(なな)八ヤ(
やは)九コ(ここの)十ト(とをなりけりや)
而布瑠部フルヘ 由良由良止ユラユラト 布瑠部フルヘ
[ひふみ祓詞]
 
八 一切成就祓
 
極めて汚濁キタナき事も 滞タマり無ければ 穢濁キタナきはあらじ 内外ウチトの玉垣 清し浄キヨ
しと白す
 
九 三種大祓
 
遠祖神トホカミ 恵エみ給タめ 祓ひ給へ 清め給へ
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