10[七 奉仕のこころ]
[七 奉仕のこころ]
参考:全国神社総代会編集発行「改訂神社役員、総代必携」
[七 奉仕のこころ]
氏子崇敬者として、また、その代表たる総代として神社に奉仕し、或いは神職を補佐
して神社を護持するためにご協力願いたい具体的事柄を列挙し、ご参考に供しましょう。
ただし、神職が常在する神社と常在しない神社とでは多少の相違があり、取捨すべき
点のあることは申すまでもありません。
一、神社の役員、総代の使命は、神職を助けてご神徳の発揚並びに社務の運営に協力し、
祭りを興すことにあります。そのため左の事項を心掛けましょう。
@神恩に感謝し、つとめて神社に参拝すること。
A崇敬の誠を捧げ、社頭の繁栄につとめること。
二、神社信仰の精神徳目である敬神生活の綱領を体して、その実践につとめ、清く、正
しく、睦まじく、強い心をもって信仰生活を送ること。
三、神社信仰の実践項目としては、左の事項を心掛けること。
@神社の由緒、神徳を熟知し、常に氏子の代表たる自覚と誇りを持ち、神職を助け、
氏子の指導に当たること。
A境内をよく清掃、整備し、参拝者がおのずから襟を正す場所らしくすること。この
ために輪番制などを話し合い、清掃奉仕等の態勢を確立すること。
B手水鉢には、常に清潔な水をたたえて置くこと。
C社頭には制札を設けて、神社の神聖を保持する意味で、竹木の伐採、漁鳥の捕獲、
車馬の乗入れ等を禁ずること。
D社頭には掲示板を設け、法律で定めた公告の掲示その他必要事項の伝達、または神
社信仰をたかめることに役立つ事柄の掲示につとめること。それには恒例の神事や
年中行事等を掲示するのも一つの方法である。
E社頭には由緒等の立札を設け、社名・祭神・祭日・由緒等を記載し、郷土の根本た
る神社存立の由来等を明らかにし、青少年の精神教育の助けとすること。
四、神社の祭を興すためには、左の事項を心掛け、これを実践すること。
@社殿は常に清掃、整備し、破損の箇所はつとめて早く補修し、神聖の保持につとめ
ること。
A社殿の装飾、祭器具、備品の整備を怠らぬこと。
B祭祀に当たっては、装飾・祭器具、神饌等の準備、使用、後始末等神職の補佐につ
とめること。
C大祭、神輿渡御祭等は、厳粛に行うことを主旨とし、氏子の喜びとまごころを捧げ
て奉仕すること。無駄はこれを省くこと。
D祭祀には、氏子の総力を捧げて奉仕するように考えること。このため神賑行事等の
保存育成をはかり、特に幼児、青少年の参加できる行事等を考え、実行すること。
五、神社の運営に当たっては、次の事項の実践につとめること。
@神職が日勤できない神社の御日供等は、神職と相談の上、氏子総代の輪番或いは氏
子の回り番を定め、心からなるご奉仕をはかること。また平常の警護についても、
時節柄万遺漏なきを期すること。
A社殿、倉庫、備品等の鍵はかかっているか、鍵の保管はできているか、よく確かめ
ておくこと。
B宝物の引継ぎ、管理をよくし、神楽、芸能等の衣装道具の保全につとめ、あわせて
それらの紹介、奨励につとめること。
六、神社の維持管理については、左の事項の実践につとめること。
@境内地、社有地の区域・坪数を確認し、これの保持に万全の注意を払い、平素から
防火・防災等の非常対策を考慮しておくこと。また、神社の経済的確立をはかるた
め、基本財産の蓄積につとめること。
A神社の維持経営については、予算を立て、決算を厳重にすると共に、祭祀、教化面
に力をいたすことを基盤にすること。
B神社の事務は、必ず帳簿または書類によって処理し、その帳簿や書類の引継ぎを厳
重にし、重要書類の記録を残し、後人の参考にすること。
※ 奉仕体験「お掃除の心」 − おる総代の手記より − ※
私が神社のお掃除を始めたのは、八年前のことです。四十六年に及ぶサラリーマン生
活を終えた直後に脳梗塞で倒れ、幸い生命に別状はありませんでしたが、老後のことを
考えると眼前が真っ暗になるようでした。退院後リハビリを兼ねて始めたのが、当時出
回り始めたパソコンと自宅から徒歩五分のところに鎮座する氏神さまのお掃除でした。
北関東の西北に位置する私の町には欅が多く、氏神さまにも椎や杉に混じって欅の大木
が六本ほどあります。落葉の時期には、欅の落葉と私の箒の格闘が始まります。最近は
暖冬が多いとはいえ、突風に身をさらされながらの落葉掃きは応えます。しかし、お掃
除を始めてからは、病気らしい病気もせず、これも氏神さまのお蔭と家内ともども神さ
まに手を合わせる毎日です。また、境内の桜やつつじ、椿や連翹など四季折々の花を楽
しめるのも心が和みます。加えて、昨年はからずも氏子総代に選ばれ、身の引き締まる
思いです。これからも皆さんが気持ちよく参拝できるようにお掃除に精を出し、さらに
総代としての務めを果たして参りたいと存じます。
[次へ進む] [バック]