09[六 質問箱]
 
                             [六 質問箱]
 
            参考:全国神社総代会編集発行「改訂神社役員、総代必携」
 
[六 質問箱]
 
問 神社の役員、総代の役割について簡単に説明して下さい。
答 宮司の手助けをし、神社の発展を心掛けるという基本的なことは役員も総代も同じ
 で、特に神社に対して崇敬の念の篤い人が選ばれます。役員は法律にも定められてお
 り、神社をどのように管理し、運営していくかということを決めるいわば事務上の機
 関です。これに対し総代は、法律には定められていませんが、氏子崇敬者の代表とし
 て、神社と氏子の人々をつなぐ役割を持つ信仰上の機関といえます。総代と役員の両
 方を兼ねているところも多く見受けられますが、両者の立場の違いから両方を兼ねる
 のは総代定数の二分の一以下の人数に止めてほしいものです。
 
問 神職が常在しない神社の場合、役員、総代がお祭りに奉仕してもいいのでしょうか。
答 祭祀に奉仕し、氏子の人達の繁栄や世界の平和を祈願することが神社で最も大事な
 ことです。そして、中でも大切なのは、日々のお祭りです。神職が常在するところも
 しないところも、神職がお祭りの中心であることに変わりはありませんが、神職が常
 在しない神社の場合には、宮司とよく相談の上、役員、総代が進んで、社殿・境内等
 の清掃、神様へのお供え物をしたりするなど、氏子の人達の手本となるよう心掛けて
 下さい。
 
問 神社の御神体のお取扱いについて教えて下さい。
答 神様がお鎮まりになる御座が御神体で、そこは常に清浄な空間を護持しなければな
 りません。御神体はその神社の宮司であっても、御社殿の建て替え等で御神体をお遷
 しすることが必要になった時や、その他の特別な時しか拝することは出来ません。し
 かも、拝する時は厳重な潔斎(心身を清めるために日常とは違う生活をする)を必要
 とします。ですから、一般の人は拝見することは出来ません。
 
問 神職さんの呼称について。
答 神職とは神々と人々の仲執りもちの役をなし、人々に代わって神々への奉仕を行う
 者のことです。他に「神主」「神官」などの言い方がありますが、「神主」「神官」
 はかなり古い時代の言い方で、現在神社本庁の規定では神職を公式な言い方としてい
 ます。神職の職階としては、神社本庁の規定では、神社の管理運営の責任者で宗教法
 人である神社の代表役員を兼ねる神職を「宮司」、順に(「権宮司」)「禰宜」「権
 禰宜」と言い、この他にも様々な呼称があります。
 
問 普段、お参りをした時に、自分でも祝詞を奏上したいのですが。
答 基本的には、二拝二拍手一拝の作法でお参りして戴ければよいのですが、より丁寧
 にされたいならば、「神拝詞」を神社にお参りした時や神棚の前で奏上して下さい。
 清々しい気分で一日一日が過ごせることでしょう。「神拝詞」は宮司に依頼して求め
 ることが出来ます。
 
[神社ジンジャ拝詞ハイシ]
掛カけまくも畏カシコき 何神社の大前オホマヘを拜ヲロガみ奉マツりて 恐カシコみ恐カシコみも白マヲさ
く 大神等オホカミタチの廣き厚き御恵ミメグミを辱カタジケナみ奉り 高き尊タフトき神教ミヲシヘのまに
まに 天皇スメラミコトを仰アフぎ奉り 直ナホき正しき眞心マゴコロもちて 誠マコトの道に違タガふこ
となく 負オひ持つ業ワザに励ハゲましめ給タマひ 家門イヘカド高く身ミ健スコヤカに 世ヨのため
人のために盡ツクさしめ給へと 恐カシコみ恐カシコみも白マヲす
 
[神棚カミダナ拝詞ハイシ]
此コレの神床カムドコに坐マす 掛カけまくも畏カシコき 天照アマテラス大御神オホミカミ 産土ウブスナノ大
神等オホカミタチの大前オホマヘを拜ヲロガみ奉マツりて 恐カシコみ恐カシコみも白マヲさく 大神等オホカミタチ
の廣き厚き御恵ミメグミを辱カタジケナみ奉り 高き尊タフトき神教ミヲシヘのまにまに 直ナホき正し
き眞心マゴコロもちて 誠マコトの道に違タガふことなく 負オひ持つ業ワザに励ハゲましめ給タマ
ひ 家門イヘカド高く身ミ健スコヤカに 世ヨのため人のために盡ツクさしめ給へと 恐カシコみ恐カシコ
みも白マヲす
 
問 身内が亡くなった場合、神社にお参りしたり、お祭りに参列してもよいのでしょう
 か。
答 不幸があった場合に何日間神社にお参りするのを遠慮すべきかと云う事は特に決ま
 りはなく、土地によっても違いますので一概には言えませんが、一般には五十日祭(
 仏式では四十九日にあたる)が明けるまで神社にお参りするのを遠慮される方が多い
 ようです。神道では人間の死そのものを穢れとしてはいませんが、死が生の働きを阻
 害するものであるという考えがあるため、神葬祭を神社の境内で行うことは非常に少
 なく、また、墓地・霊園等も境内の中にないのです。また、お祭りの日の近くに不幸
 があった場合は参列を遠慮されることが望ましいのですが、どうしても参列しなけれ
 ばならない時は、事前に神社でお祓いを受けてから参列して下さい。
 
問 神社の運営を維持していくのが難しいので、境内の一部を駐車場にしてもよいでし
 ょうか。
答 神道の起源というのは、稲作がはじまり、豊作を祈願し感謝した頃より自然に発生
 したと言われています。五穀豊穣を祈願し、自然の恵みに感謝することが本来の姿だ
 ったのです。ですから、「鎮守の森」と言われるように、神社と森とは切っても切れ
 ないものなのです。都市化が進むにつれて、徐々に緑が姿を消しはじめている中で、
 神社の森だけでも、人々のやすらぎの場として、いつまでも残していかなければなり
 ません。
 
問 神職さんに御祈祷して戴いた際の包みの表書きはどのようにしたらよいのでしょう
 か。
答 初穂料或いは玉串料、御礼とお書き下さい。今ではお金をお包みすることが一般的
 になりましたが、農業が盛んであった昔は、稔りの秋には神様に感謝の気持ちを込め
 て、その年の最初に実った稲穂を神様にお供えしていました。野菜や果物、魚などの
 初物も同じで、初穂という言葉はここに始まっているのです。玉串とは榊の枝に紙垂
 (白い紙)を結び付けたもののことで、神職さんに御祈祷して戴いた際に玉串を神前
 に奉ることから玉串料と書きます。その他に、神職さんに御祈祷した戴いたことに対
 する御礼等がありますが、一般には初穂料、玉串料とお書き戴ければ間違いありませ
 ん。
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