05[二 役員心得]
 
              [二 役員心得]
 
            参考:全国神社総代会編集発行「改訂神社役員、総代必携」
 
[二 役員心得]
 
〈神社の役員〉
 責任役員とは
 神社の役員は、「責任役員」といい、一神社に三人以上を置き、その内の一人が、代
表役員となり、代表役員にはその神社の宮司が当る。欠員等特別の場合には責任役員又
は代表役員の代務者を置き、または、特殊な利害関係のある事項については、仮代表役
員、仮責任役員を置くことがある。
 
 責任役員の任務
 責任役員は、役員会を構成して法人の重要事務を決定し、代表役員は、責任役員とし
て議決に加わると同時に、対外的には法人を代表し、役員会で決定した事柄を実行する
執行機関であり、責任者である。代表役員の代務者もこれと同様である。
 
 責任役員の選任
 宮司以外の役員は、規則で定められた任期満了の都度改選を行い、仮に同一人が留任
する場合でも改選の手続きをしなければならない。代表役員である者の任期は、宮司在
職中であるので改選の必要はない。宮司以外の責任役員は改選が行われても新役員が就
任するまでは、神社の運営を休止させないために、役員の職務を行うことになっている。
 
〈役員の任務〉
 責任役員会を構成し、重要な事務の決定
 責任役員の任務は、役員会という合議体を構成して、その神社の法人事務中、重要な
事項の決定をし、神社本庁に申請する事柄については、その申請書に連署するのである。
代務者の任務もまた同様である。役員会は代表役員である宮司が召集する。
 
 責任役員会の決定事項とは
 役員会という合議体においては、実際にはどの様にして決定するかというと、法令や
神社本庁の規定に違反しない限りにおいて、その神社の規則の規定に従って行うのであ
って、各役員が平等の立場で決定する。神社規則によると役員会が決定しなければなら
ない事は次の通りである。
 
@総代選任の方法
A宮司や宮司代務者の進退
B不動産(立木を含む。)やその他の基本財産或いは宝物等の取得、設定、処分、担保
 等
C借入
D重要な境内建物の新築、改築その他の変更
E境内地の増減その他の変更及び目的外転用
F規則の変更
G特別会計の設定
H予算及び決算
I財産目録(連署)
J以上の外宮司が必要と認めたこと
 
 神社本庁の承認が必要な事項
 宗教法人法上、神社本庁の承認後、公告の必要な事項
 所轄庁(文部大臣、都道府県知事)の認証の必要な事項
 
 これらは何れも役員会の決定を経なければならないことであって、役員中の或る者が
知らない間に実行されるということはあり得ない。しかもこれらのうちAについては、
神社本庁が任免し、BからFまでのことは神社本庁の承認を受け、またBからEまでの
ことについてはその外に公告を要し、Fについては文部大臣、知事の認証を受ける等、
それぞれ事柄の性質に従って正規の手続きを経ることになっている。
 
 以上のようにして決定されたことを実行するのは、本来代表役員の任務であるが、代
表役員は自己の責任においてその実行を部下職員に命じ、または役員総代その他の者に
委任する場合がある。神社の重要事務は以上のようにして行われ、その手続きを誤ると、
法律上無効となる等の混乱の起こることがあるので、何れの役員であっても充分に慎重
を期さなければならない。
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