11c 日本の神々と易・五行〈その10〉1
(3) 先天と後天
先天図1
父
北
地
山 坤 雷
艮 震
(西)水 坎 ・ 離 火(東)
巽 兌
風 乾 沢
天
南
先天図2
北
地
山 → 雷
・ ←
↓
水 ↑ ↓ ↑ 火
↓
← ・
風 ・→ 沢
天
南
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後天図1
北
子
亥 坎 丑
戌 乾 艮 寅
(西)酉 兌 ・ 震 卯(東)
申 坤 巽 辰
未 離 巳
午
南
後天図2
北
水
天 ・ ↑ 山
・ ・
・ ・
沢 雷
・ ・
・ ・
地 ↓ ・ 風
火
南
△先天易
上図にみられますように八卦を方位に配当するには,先天後天の方法があり,先天と
後天に分けられます。前者を伏羲先天八卦方位,後者を文王後天八卦方位とします。
先天方位は自然の相をそのまま採って,明るい南を「天」,暗い北を「地」とし,太
陽の昇る東に「火」(離),太陽の沈む西に「水」(坎)を当てています。
先天方位について,易の中に直接の記述はありませんが,
「天地を定め,山沢気を通じ,雷風相い薄セマり,水火相い射イトわずして八卦相い錯
マジわる」(説卦伝)
とあり,明らかに天地軸に南北を執り,山(艮)と沢(兌),雷(震)と風(巽),水
(坎)と火(離)がそれぞれ相対して軸を成している様相が窺われます。そこで先天方
位の根拠は「説卦伝」第三章に求められ,
「先天方位は天地自然の法象であり,後天方位は変化活動の法象である。・・・・・・先
天方位と後天方位とは静動の関係にあり,別種の異なった二方位ではない。邵康節
が先天易と後天易とを体用の関係においてこれを捉えているのもまたこの意味であ
る」(鈴木由次郎「漢易研究)
とされます。
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