08a 日本の神々と易・五行〈その7〉
「乾は天なり。故に父と称す。坤は地なり。故に母と称す(説卦伝)」とありますよ
うに,乾坤・天地を人間関係に置き換え,これを両親即ち父母とし,この間に三男三女
があるとするのです。
この八卦を方位に配当するには二つの方法があり,次のように先天と後天に分けられ
ます。
先天図1(伏羲先天八卦方位)
(北)
地
山 →・ 雷
・ ←
↑ ↓ ↑
水 ↑ ↓ ↑ 火
↑ ↓ ↑
← ・
風 ・→ 沢
・
天
(南)
先天図2(伏羲先天八卦方位)
母
(北)
地
坤
少男(西北)山 雷(東北)長男
艮 震
中男(西)水 坎 ・ 離 火(東)中女
巽 兌
長女(西南)風 沢(東南)少女
乾
天
(南)
父
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後天図1(文王後天八卦方位)
(北)
水
天 ・ ↑ 山
・ ・
・ ・
沢 雷
・ ・
・ ・
地 ↓ ・ 風
火
(南)
後天図2(文王後天八卦方位)
(北)
子
西北 亥 坎 丑 東北
戌 乾 艮 寅
(西)酉 兌 ・ 震 卯(東)
申 坤 巽 辰
西南 未 離 巳 東南
午
(南)
先天方位は天地自然の象をそのまま採って明るい南を「天」,暗い北を「地」としま
す。
後天方位は,火食し衣服を着けるようになってからの人間の生活に即応してできたも
のと言われています。つまり後天易は火と水を南北に配しますが,それは,
「火気は冬,乾燥して天に上り,夏,地に降る」
「水気は蒸発して天に至り,雨となって地に降る」
というように,天地間を水火が循環しますが,この水火の循環・往来こそ万物の生命の
保証の源とするのです。
八卦はこのように天地・自然・人間関係を表現しますが,森羅万象をより精密に表す
にはこれでは到底足らず,そこでこの八卦を組み合わせて,六十四卦,いわゆる八卦の
「小成の卦」に対し,「大成の卦」を作ることになる訳です。
易の家族構成によれば,戸座は少男の「艮ゴン」(山)です。「艮」の座は西北で,北
にいる母「坤コン」(地)に隣り合っています。「坤」は「説卦伝」において,
「坤を地となし,母となし,布となし,釜となし,・・・・・・その地におけるや黒とな
す」
と説明されています。戸座の「戸」は「竃(釜)」であり,戸座の職掌は朝廷と斎宮寮
の竃に侍することであったのです。
而して戸座の後裔がヒョットコとすれば,戸座「艮」の真向かいは「兌ダ」です。「
兌」の家族関係は少女で,ヒョットコと対をなすオカメであるとの理も判然とします。
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