や2 屋敷神・地主神
 
〈やしきがみ〉
 屋敷神
 屋敷神とは、邸内神・第内神とも(屋船神ヤブネノカミとも)云われ、屋敷を守護する神で
ある。
 もと屋敷を定める前の土地神を祀ったのと、屋敷を定めて後に他から勧請カンジョウした
のとがある。
 民間の屋敷神信仰は複雑な様相を示している。民俗学的研究によると、屋敷神はその
祭祀集団と信仰の本質とから、本家分家の同族集団で祭祀される一門氏神、一定の氏子
集団で祭祀される村氏神、戸別毎に祭祀される屋敷氏神として捉えられている。
 歴史的には一門氏神が原初的形態で、一門の分解によって村氏神と云う地縁的祭祀が
起こり、また一門の分解によってその司祭者であった本家筋に留まって祭祀される屋敷
神となった。何れも祖先神信仰を基盤にしているが、屋敷氏神にはまた、一戸だけで祭
祀するのではく、本家筋の屋敷にあって分家が参加する一門氏神的形態と、全く戸別単
位に祭祀する屋敷守護的形態とがある。一門氏神的形態にあっては、特定の先祖名を付
けたり、その一族の成立に関わる先祖の事績を伝えるのが特徴であって、祭日も春秋両
季の氏神祭と一致することが多い。これに対して戸別的な屋敷守護神には稲荷、八幡、
神明、天王などの勧請神が多い。
 
〈じぬしのかみ〉
 地主神
 地主神とは、土地を領する神のことである。
 神社や寺院で祀られているのは、社寺の創建以前に鎮座していた神のことで、地主大
明神とか地主権現などと云う。
 民間では地神ヂガミとか地主様と云い、広く信仰されている。屋敷神とか開拓祖先の
神、田畑を開拓した人を祀ったものなどと云い、祖先信仰と深く関わっていて、一族で
祭りを営む処もある。
 
関連リンク [鹿角の郷の「碑文(由緒)」ウォッチング(神社の碑文「和井内神社」)]

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