し 神明社
〈しんめいしゃ〉
神明社
神明社(神明宮とも)とは、天照大神或いは伊勢内外宮の神を祀った神社である。
古い例としては、『吾妻鏡』文治二年(1186)正月二日の条に、鎌倉の甘縄神明宮の
ことが見え、これを「伊勢別宮也」と記している。
神明社が全国の各地に祀られるに至った経過を見るに、その最も著しいのは、神宮の
神領地に遥祀されたものである。これに次いでは、神宮祠官の移住先に奉祀されたもの、
神宮に対して特別の崇信を有する者の勧請したものがある。
神明社の中には、伊勢宮・伊勢神社・今宮神社・今伊勢社などの名を称するものもあり、
戦国末頃から、伊勢の大神が各地へ飛び移られると云う信仰から、飛神明トビシンメイの勧請
と云うことも一次的に流行した。
△神明
「神明」には二義がある。@神と同義、A天照大神の別名である。
神明の語は中国に起こる。即ち『春秋左氏伝』襄公十四年の条に、「仰之如日月、敬
之如神明、神明畏之如雷霆」と見え、『書経』に、「至治馨香感于神明」とあるなどが
これで、神明は神のことである。
わが古典では、神代紀に「顕神明之憑談」、続日本紀天平十二年九月の条に、「神明
所棄、滅在朝夕」とあるのなどが古い。
次に、天照大神のことを神明の中での神明であると云う意味で、大神を神明と云うよ
うになった。それはおおよそ平安・鎌倉の交からのことであると思われる。
関連リンク [鹿角の郷の「碑文(由緒)」ウォッチング(神社の碑文「天照皇御祖神社・大日霊貴神社・神明社」)]
関連リンク [八幡平地区の神様を訪ねて「21 松館老人クラブ区域内の神様(神明社)」]
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