KI10067 *下古川シタフルカワのトゲウオ生息地
 
天然記念物
 
 トゲウオは、北日本に分布する小型の淡水魚で、水草を集めて巣を作り、雄が卵や稚 魚を保護するという特異な習性を持つ。鹿角で生息が認められるのはトヨミ(トゲウオ 科トミヨ属)という種類で、体長3〜4p、背びれの前部が8〜12本の棘トゲになってお り、体側に一列の鱗板リンバンが走っている。水の澄んだ細流または湧水に棲み、適応性が 狭いので生息場所が限定される。以前は鹿角市内各所で見られたが、開発が進んで姿を 消し、現在は下古川と下川原の2カ所だけとなった。
 ここ下古川の生息地は、面積約23u、最大深度25pの小さな半人工的な池である。東 側から豊富な地下水(水温15℃、昭和49年)が流入していたが、数年前から湧水が激減 して池底に泥が堆積、最近ではトヨミを確認するのが極めて難しい状況となっている。 水質悪化による絶滅が心配される。

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