MI10027 又鬼マタギ資料(熊槍・カンジキ・雪ベラ) 3点 鹿角市指定有形民俗文化財 昭和49年3月19日指定 所在地 鹿角市十和田大湯 所有者 個人 熊槍クマヤリは、獣を突くために又鬼が用いた狩猟用具で、投げ槍のようにしても用いら れたという。又鬼言葉でタテといった。 又鬼が猟具以外に雪山で欠かすことのできない道具として、カンジキや雪ベラがある。 カンジキは、雪山の必需品で、主にニキョウ(サルナシ)を材料として自家製作し、 牛皮の締め具によって足に取り付けた。カンジキの爪は、堅雪カタユキのころは短く、雪の 深いときは長くした。熊の狩猟のころは四ッ沓グツ(四本爪)のついたカンジキを履い た。 雪ベラは、イタヤ材などを柾目に割って自家製作した。雪ベラは雪除けや雪洞セツドウつ くりに用いられたほか、狩猟のとき上端に銃身をのせ安定させて撃つことができるよう に窪みをつけた。雪が深いときは長い雪ベラを、浅いときは短いものを用いた。 〈又鬼マタギ〉 米代川の支流大湯川の上流や熊沢川の上流域では、雪の降る冬季にクマ・アオジシ( カモシカ)・バンドリ(ムササビ)・ウサギ・ヤマドリなどの狩猟のため山に入り、そ れ以外の季節には山菜・茸を採り、生計を維持する又鬼といわれる人々がいた。 別掲「旧鹿角郡公会堂」参照 |