YU10023 板碑イタビ(長牛) 1基 鹿角市指定有形文化財(考古資料) 昭和54年2月21日指定 所在地 鹿角市八幡平 所有者 個人 板碑は、供養のために建立した塔婆トウバの一種である。鹿角市内では八幡平地区のみ に集中し、しかも建立年代が接近している。 その板碑は、昭和14年に郷土史家浅井小魚によってはじめて確認された。 大正の初め、所有者の家で長牛ナゴシ八幡館下の林地を開墾し、一群の石塊を他に移し たところ、この刻文のある石が出土したという。出土した当時は、碑面を南に向けて立 て、毎月一回地蔵尊として拝んでいた。後に碑の頭ある梵字ボンジは大日如来であること から大日堂に安置したが、巫女ミコの占いにより所有者の畑の一部、松の木の下に移し、 さらにその後、同家の林檎リンゴ畑のあった現在地に移している。 種子シュジ(バン)、銘文とも彫りが浅く、自然の小穴が一面にあり、風化も進んでい るため、種子以外は判読しにくい。 この正安ショウアン元年(1299)銘の板碑は、秋田県内では最古のものといわれている。( 青灰色の凝灰岩質の自然石、高さ76p、最大幅34p、厚さ19p) [八幡平地区の神様を訪ねて「15 長牛老人クラブ区域内の神様」] |