YU10016 専正寺喚鐘カンショウ 1口
 
鹿角市指定有形文化財(工芸)
平成2年3月26日指定
所在地 鹿角市花輪字寺ノ後16
所有者 専正寺
 
 喚鐘とは、仏堂内に吊って、法会ホウエのときに用いる鐘カネで、禅宗では殿鐘といわれ る。
 専正寺に伝わるこの喚鐘には、元文ゲンブン3年(1738)に、奥州南部藩瀬田石村住の 田中タナカ久兵衛尉キュウベエノジョウ藤原フジワラノ久長ヒサナガによって作られたという銘がある。田 中氏は江州(今の滋賀県)粟田郡辻村から、享保キョウホウ2年(1802)に瀬田石村に移住 し、この喚鐘が瀬田石セタイシでの最初の作鐘であるという。鹿角居住の鋳物師イモノジの活動 を知る貴重な作品である。
 第二次世界大戦中における金属供出にあたって供出されたが、花輪町役場に止められ ていたことから、戦後改めて専正寺に戻された経緯がある。(高さ77p、底部内径34p、 底部外径44p)
 
5905瀬田石(瀬田石)

[次へ進む]  [文化財]  専正寺