YU10014 *元毛馬内不動院不動尊(不動明王) 1躯
 
彫刻
 
 毛馬内不動院は、正式には藤崎山法蓮寺と号し、明治の初めまで館神等の別当職や月 山大権現(月山神社)の先達センダツを勤めるなど、修験シュゲン寺として篤い信仰をあつめ ていた。不動院の本尊として祀られたのが、この不動尊(不動明王)である。
 この像は、桧寄木造で、全体にふっくらしており、両眼を見開いた顔の表情も柔らか なことから、室町時代初期の作といわれ、秋田県内でも室町期一級の秀作であるといわ れる。着衣の背面にはみごとな彩色が残されていることから、製作当初には全体に胡粉 ゴフン彩色が施されていたことを偲ばせる。長い年月の間に、火に触れたような跡があり、 左手の羂索ケンサクを欠いている。
 この不動尊は、不動院別当を努めてこられた和田氏の子孫にあたる和田祐光氏から平 成2年に鹿角市に寄贈されたものである。(像高56p、光背高72.5p)

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