[十二月]
上旬 〈伝統行事 − 庭掃き・庭仕舞〉
 この頃は農作業もすっかり終わり、裕福な家では一年間手伝っていただいた分家や縁
者を招き、感謝の祝宴を催します。
 
上旬〜下旬 〈郷内行事 − 神々の年越し〉
 天地の神々の存在を信じ祖霊を祀り、ひたすらに神仏の加護を祈り、信仰を生活の基
盤とした習慣に基づき、一年を通じて四季折々に豊作祈願、疫病退散祈願、五穀豊饒の
感謝などの祭事が行われます。十二月には次のような神々の年越しが催されます。
 
 二日頃  不動様   お供え物はシトギ(八幡平宮麓地区では神酒・頭付・大根汁)
 三日頃  稲荷様   (小枝指・下川原・西町・長野・乳牛ではお粥)
 五日   恵比須様  お供え物はシトギ・豆シトギ・餅
 七日   大黒様   〃 シトギ
 八日   薬師様   〃 神酒・頭付
 九日   大黒様   〃 餅・シトギ・豆シトギ・ナベ餅
 十日   金毘羅様
 
 十二日  山の神様  お供え物は神酒・餅・豆シトギ・タンポ
 十三日  月山様
 十五日  御大師様  お供え物はオハギ(館)
      八幡様   〃 シトギ(館)
 十六日  地蔵様
      不動様
 十七日  観音様   お供え物は神酒・餅・精進料理
 十八日  大日様   〃 三つ重ね餅
      産土神様  〃 三つ重ね餅
 十九日  稲荷様・蒼前様 〃 神酒・シトギ・頭付魚(芦名沢・小枝指)
 二十日  稲荷様   〃 餅・シトギ
 
 二十一日 稲荷様   〃 神酒・煮物・頭付魚
      竜神様   〃 同上
      弘法大師様 〃 同上
 二十二日 聖徳太子様
 二十三日 二十三夜様(お月様)
 二十四日 愛宕様   お供え物は小豆粥・小豆飯(芦名沢では白い飯)
 二十五日 天神様
 二十八日 荒神様
 
三日 〈伝統行事 − お不動様のお年越〉
 この日はお不動様の日で、粗い米粉で作ったシトギ餅を神前に供えて拝礼します。
 
五日 〈伝統行事 − 恵比須様のお年越〉
 十二月は神様の年越と云い、いろいろな神様に年越のお供えをします。
 この日は恵比須様のお年越で、餅を搗いて神前に供えて拝礼し、家内安全などを祈願
します。
 
九日 〈伝統行事 −大黒様のお年越 〉
 神前に鍋餅(おはぎ)を俵積みにして供えて拝礼し、生活の繁昌を祈願します。
 
十二日 〈郷内行事 − 山の神様祭り〉
 この日は、狩猟・山仕事・木材などに携わる人々は一切の仕事を休み、山の神様にシ
トギ餅やお神酒を供えて拝礼し、仕事の繁昌と安全を祈願します。
 山の神は嫉妬深い女神とも云い、また寺坂の言い伝えでは山の神は荒神で、お供えし
た餅を女が食べると神様の怒りに触れるので、女の人は食べないと云います。
 山の神様は春三月三日の桃の節句に山から降りて田の神様となって豊作をもたらし、
十二月十二日にはまた山へ帰り山の神様になって山を守ると云われます。
 
 〈伝統行事 − 山の神様のお年越〉
 神前にお餅又はタンポを供えて拝礼し、特に男達は山仕事の安全を祈り、終わってご
馳走を戴きます。
 
十五日 〈伝統行事 − 八幡様のお年越〉
 神前にシトギ餅を供えて拝礼し、武運長久などを祈願します。
 
十六日 〈伝統行事 − おこもり〉
 谷内部落では神明社にお餅とお神酒を供えて拝礼します。また境内のいろいろな神様
にお賽銭を供えて拝みます。子供達はそのお賽銭を競って拾い合います。
 
十七日 〈伝統行事 − 観音様のお年越〉
 仏前に新穀の餅を供えて拝礼し、家内安全と繁昌を祈願します。
 
十九日(又は二十日) 〈伝統行事 − 稲荷様のお年越〉
 神前にシトギ餅を供えて拝礼し、豊作に感謝します。
 
冬至 〈郷内行事 − 冬至カボチャ〉
 小豆と糯米とカボチャで粥を作り、これを食べると中風にならないと云われます。
 大欠ではカボチャ粥をイトコ煮と云い、糯米に粳米を少し混ぜ、小豆を入れて硬めの
粥を作り、別に煮て置いたカボチャを混ぜます。大鍋に作り置きして、子供達は毎日の
ように食べると云います。
[次へ進んで下さい]